この記事の目次
曹爽の危機
曹爽は魏の実権を握った後、側近に政治を任せ、自らは豪快な遊びに興じます。ある日皇帝曹芳は曹叡のお墓参りをすると言い出します。曹爽は曹家一門の代表として曹芳と共にお墓参りに出かけようとします。この時あまり親しくなかった桓範が突然曹爽の屋敷に来ます。桓範は曹爽の屋敷に来ると突然「今皇帝と共に洛陽を出るのは危険だ。」と注意します。曹爽は「何が危険なんだ」と質問します。すると彼は「司馬懿がクーデターを起こしたら君はどうするのだ」と投げかけます。曹爽は笑いながら「あんな耄碌(もうろく)したじいさまにそんなことは出来まい」と笑いながら屋敷を出て、曹芳と共にお墓参りに同行します。
司馬懿のクーデター
桓範は自らの予想が当たらない事を祈りますが、彼の予想は当たってしまいます。司馬懿は曹爽が洛陽を出た事を知ると、宮殿を占拠しクーデターを起こします。桓範は急いで洛陽を脱出し、曹爽の元へ急ぎます。
乾坤一擲の逆転勝ちを可能にした策
桓範は曹爽の元に辿り着くと司馬懿がクーデターを起こしたと知らせます。曹爽は司馬懿がクーデターを起こしたことに驚き、動揺します。桓範は動揺している曹爽に「今すぐ許昌へ行き、皇帝を擁立して兵をあげれば各地の臣下はあなたに協力するはずだ。こんなところに居続けたら、あなたは捕縛されて死ぬぞ」と乾坤一擲の策を披露します。しかし曹爽は決断する事が出来きませんでした。その後曹爽は司馬懿から罪を問わず、今の地位を免職するだけで許してやると言われるとすぐに降伏。曹爽は降伏する前に「金持ちのままで居られるなら、俺降伏するよ」と桓範に告げます。すると彼は大きなため息をつき「曹子丹(曹真)は優秀な人であったが、息子はぼんくらばかりだ。貴様らのせいで俺が被害を受けるとは思わなかった」と悔しがります。その後桓範は官職に復帰しますが、すぐに無実の罪を着せられ、曹爽が処刑される時、彼も処刑されてしまいます。
三国志ライター黒田廉の独り言
乾坤一擲の策を献じた桓範は無念な最後を迎える事になります。曹爽がもし彼の策を採用していれば、魏の内乱は収まらず、もしかした司馬懿が曹爽一派に敗れていた可能性もあったかもしれません。そう考えると彼が献策した乾坤一擲の策は歴史の運命を左右するとんでもない策でありました。
関連記事:【難問】三国志好きは解きたくなる!なぞなぞ・クイズ集
関連記事:三国志演義が今どき嫌われる理由