【古代オリンピック】魔のヘアピンで死者続出炎の戦車レースとは?


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死者続出炎の戦車レースとは?(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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リスクを乗り越えた御者への賞賛

戦車馬車競争で1位になり最高の名誉を得る勝者(古代ギリシャ人)

 

死屍累々(ししるい)を乗り越えて、最後の一周に差し掛かるとラッパが吹かれます。観客の絶叫と興奮は頂点に達し、互いに抱き合う者、頭を抱えてしゃがみこむ者。泣く者、悪態をつく者、髪を掻きむしり、目を手で覆う者が力の限りに声を出し天地を震わせます。それは、雷鳴のような車輪の音までかき消してしまう程でした。

 

砂埃が落ち着くと、血と(ほこり)に塗れた最期にして最強の御者がゴールして馬車から飛び降り、待ち構えていた馬車のオーナーと勝利の余韻(よいん)を噛み締めて抱き合いました。二人は、審判に額と腕にリボンを巻かれて柳の小枝を持ち、大歓声と共に花のシャワーを浴びるのです。

 

一方で、トラックには戦車の残骸、医務室には苦痛にうめく御者、そして冥王ハデスの下へ旅立った人々が残りました。古代オリンピックには1位以外は存在せず、2位以下は全て負け犬として、一切努力と勇気を讃えられる事は無かったのです。

 

ですが、だからこそ1位は輝きました。その栄誉は永遠でありオリンピックの勝者は死後も伝説として語り伝えられたのです。

 

kawausoの独り言

kawauso 三国志

 

古代オリンピックは、ギリシャ人男性であれば、誰にでも参加資格がある民族の祭典でした。しかも、時代が下りギリシャがローマの属州になるとローマの版図がオリンピックの領域となり、少しでもギリシャ人の血が入り、ギリシャ語が出来れば参加できる程度に条件が緩和されます。

 

そして、そこでは、時として命懸けの戦いが繰り広げられましたが、人種、門地、身分に関わりなく勝利した者だけが讃えられる極めて民主的な空間だったのです。さて、次回はオリンピックの舞台裏、選手やコーチについて解説しますよ、お楽しみに・・

 

参考文献:古代オリンピック 全裸の祭典 河出書房

 

古代オリンピック

 

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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