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[孔子と敵対!隠者たちとの衝突の真実]

2024年2月8日


 

孔子

 

春秋時代(しゅんじゅうじだい)、乱世をどうにかしようと駆け回った思想家・孔子(こうし)は、数千年経った今でも人々の心に訴えかけてくるような素晴らしい言葉をたくさん残してくれています。釈迦(しゃか)、そしてキリストと共に世界三大聖人に数えられる孔子は、その当時から全ての人に尊敬の心を以て接せられていたに違いない…!そう思っていた時期が私にもありました。実は、孔子と水と油の関係にある者たちがいたのです。

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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世の中を変える?バカじゃねえのby隠者

世の中を変える?バカじゃねえのby隠者

 

 

孔子は混乱してしまった春秋の世をどうにかして正したいという大きな志を持ちながら各国を旅した人でした。そんな彼は旅の道すがら、様々な人に出会ったらしく、いくつかのエピソードが『論語(ろんご)』にも残されています。その中でも強烈なのが微子(びし)篇に3条連続で見えるので紹介させていただきたいと思います。まずは、こんなエピソード。孔子が楚の地で旅をしていると、フラフラと頼りない足取りで歩くヘラヘラしたオッサンが現れます。そのヘラヘラしたおっさんは大きな声で次のように歌っていたのです。

 

 

鳳凰(ほうおう)鳳凰(ほうおう)や、徳というやつはすっかり衰えてしまったねぇ。やってしまったことは仕方がないが、これからのことはまだ間に合う。やめておけ、やめておけ。今の時代、政治をどうこうするなんて危ないことだ。」

 

 

孔子はこの歌が自分に呼びかけるものであると気づきます。実はこのヘラヘラしたおっさん、気が狂ったふりをした隠者(いんじゃ)で、孔子に「お前も世を捨てて隠者になっちまえよ」と呼びかけてきたのでした。しかし、孔子はこれに反論せんとオッサンに話しかけようとします。ところがおっさんはヘラヘラしながら小走りして逃げていったため、孔子は話すことができなかったのでした…。

 

 

 

孔子、隠者に冷たくあしらわれる

孔子、隠者に冷たくあしらわれる

 

隠者にモヤモヤさせられた孔子ですが、またも隠者と遭遇します。今度は2人の隠者が畑を耕しているところを通りがかり、孔子は弟子の子路(しろ)に「あの2人に渡し場の場所を聞いて来い」の命令。子路はさっそく2人に渡し場がどこにあるのかを尋ねました。

 

ところが、質問に対して別の質問が飛んできます。

 

隠者1「馬車の手綱を持っている人は誰だい?」

子路「孔丘(こうきゅう)です。」

隠者1「じゃあ色んなところをほっつき歩いているんだから、

渡し場の場所くらい知ってるだろう。」

 

この答えに困った子路は、もう1人の隠者に同じ質問をします。ところがやっぱり質問返しを受けることに。

 

隠者2「あんたは誰なんだい?」

子路「仲由(ちゅうゆう)です。」

隠者2「世の中ってのはこの河の流れのようにどんどん流れて

せき止められないもんだ。

それなのにアイツも違うコイツも違うと

主君を捨ててばかりの奴についているくらいなら、

いっそあんたも俺らみたいな世捨て人についた方がいいんじゃないのかい?」

 

子路がこのことを孔子に話すと、孔子は心底ガッカリ。

 

 

 

「私は鳥や獣ではなく、人間の仲間なのだ!世界中で正しい道が行われていれば、私だって無理に流れに逆らおうとは思わない!」

 

 

 

孔子、畑も耕さない奴のどこが先生だとディスられる

孔子、畑も耕さない奴のどこが先生だとディスられる

 

弟子・子路(しろ)が旅の途中で孔子とはぐれてしまったとき、竹かごを杖に引っ提げて歩く老人と出会いました。

 

子路はこれ幸いといわんばかりに「もし、私の先生を見ませんでしたか?」と尋ねます。

 

ところが、その老人からこんな喝が飛んできたからビックリ。

 

「畑を耕して食うものも作らないで、誰が先生だってんだ!」

 

そう言って杖を突き立て草むしりを始めた老人に対し、「並々ならぬ人物に違いない」と思った子路は、とりあえず礼のポーズをとって老人の(かたわら)に立っていることにしたのでした。すると老人も子路を見所のある奴だと思ったのか、子路を家に招いてご飯を食べさせ自分の子どもたちと引き合わせ、ついでに1泊させてくれたのでした。翌日孔子に追いついた子路が老人について話すと、孔子は「隠者だ!」と感動。子路に案内させてその老人を訪ねるも、家には子どもたちしかいなかったのでした。

 

 

三国志ライターchopsticksの独り言

三国志ライター chopsticks

 

孔子は隠者に対して多少なりとも敬意を持っていたようですが、その当時の隠者たちは孔子のことを良く思っていなかったみたいですね。逆らうことのできないものにわざわざ逆らう孔子のことが滑稽(こっけい)に思えたのかもしれません。たしかに孔子はついには時代の流れに押し流されてしまったかもしれませんが、それでも数千年以上にわたって人々から称賛され得る功績を残したわけですから、孔子の努力は隠者たちの言うような徒労ではなかったのではないでしょうか。

 

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清朝考証学を勉強中。 銭大昕の史学考証が専門。 片田舎で隠者さながらの晴耕雨読の日々を満喫中。 好きな歴史人物: 諸葛亮、陶淵明、銭大昕 何か一言: 皆さんのお役に立てるような情報を発信できればと思っています。 どうぞよろしくお願いいたします。

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