劉備は旗を揚げる前、涿県というド田舎で母親と2人で筵を織り、それを売って暮らしていました。幼いときに父が亡くなって以来、劉備のために身を粉にして働く母に劉備はとても恩を感じていたことでしょう。
そんな彼の孝行者エピソードとして有名なのが、筵を売ったお金を貯めて、母親のためにお茶を買うというもの。しかし、これは吉川栄治『三国志』のオリジナルエピソードなのだとか…。でもでも、このエピソードを読んで中国茶に興味を持った人だって多いはず!というわけで、今回は中国茶について簡単に紹介していきましょう。
中国茶は大別すると6種類
中国でレストランに入ると、水ではなくお茶が出されます。そのお茶は大体プーアル茶。脂っこい中華料理にぴったりのお茶ですよね。でも、中国茶は当然プーアル茶だけではありません。皆さんはパッと思い浮かべるのはおそらくウーロン茶。そしてジャスミン茶あたりではないでしょうか。でも、日本茶のイメージが強い緑茶や、イギリスのアフタヌーンティーのイメージが強い紅茶だって中国も負けていません!
そんな中国茶は発酵度によって6種類に大別されています。発酵度が高いものから、黒茶、紅茶、青茶、黄茶、白茶、緑茶という順番になっているのだそう。それでは、それぞれのお茶がどのようなものなのか、簡単に紹介していきましょう。
濃厚な味が楽しめる黒茶
黒茶は完全に発酵された茶葉に、更に微生物を植え付けて熟成させたお茶です。長期間保存できるのも魅力の1つ。そのため、ワインのように年代物のお茶が存在するのだとか。このお茶の代表として挙げられるのは、やはりプーアル茶。香りは重厚なのですが、飲むと胃の中の油が一気に洗い流されるような清涼感を得られます。
英国女王も愛する紅茶
イギリスからの置き土産である紅茶。茶葉を完全に発酵させたものです。中国で独自の進化を遂げ、本家・イギリスに負けないものが作られるようになりました。特に、祁門紅茶は三大銘茶に数えられるほど。ほのかに甘味を持つ上品な味わいで、イギリスの女王にも愛されているのだとか。
日本人も大好きな青茶
耳なじみの無い青茶ですが、実は日本人が愛するウーロン茶がその仲間なのです。発酵した茶葉と発酵していない茶葉が混じり合っているのが特徴。ウーロン茶を飲むとなんだか青臭さを感じることもありますが、半発酵状態なのだとわかるとそれも納得いきますね。
清朝の皇帝に愛された黄茶
日本人には何だか縁遠い黄茶。特別な工程を経て作られる希少価値の高いお茶なのだそう。そのため大変高価で、100g1万円以上で取引されることもザラ。清朝の皇帝に愛飲されていたといわれています。
見た目も美しい白茶
こちらも日本人にはあまりなじみの無い白茶。しかし、2000年代にはペットボトル飲料として発売されていたみたいです。白い産毛が生えているうちに摘んでその産毛がそのまま残るほど、ゆっくりと発酵させます。耐熱ガラスのティーカップに注ぐと、茶葉がユラユラと人魚のように美しく泳ぐ様子が楽しめます。夏バテ解消にもおすすめのお茶です。
やっぱり外せない!緑茶
生産量・消費量共にナンバーワンなのが、やっぱり緑茶。茶葉は当然緑色。日本の緑茶は発酵を止めるために茶葉を蒸しますが、中国の緑茶は茶葉を釜で煎るのが主流です。しかし、違うのはその製法だけではありません。飲み方だって違います。中国でのどが渇いて、渇きを癒すために緑茶を買って日本の緑茶の味を想像しながら飲むと、ペットボトルを投げ捨てたい衝動にかられます。
うぇ!!何だこの味!!それもそのはず。中国で売っているペットボトルの緑茶にはほとんど砂糖が入っています。中国では緑茶にも紅茶のように砂糖を入れるのが一般的なのです。そのため、中国で日本の緑茶のような味の緑茶を求める場合は注意が必要です。頑張って無糖のお茶を探しましょう。
では、君は何なんだ?ジャスミン茶
こうして眺めてみると、「ジャスミン茶は何に分類されるんだ?」と思いませんでしたか。実はジャスミン茶は、茶葉にジャスミンの花を加えたフレーバーティー。花茶の女王と呼ばれているそうです。その他、お茶…?という感じの色々な素材を詰め込んだ八宝菜ならぬ八宝茶なんてものもあるようです。皆さんも是非中国茶で優雅な午後のひと時を。
※この記事は、はじめての三国志に投稿された記事を再構成したものです。
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