『続日本紀(しょくにほんぎ)』は奈良時代に編纂された歴史書で、日本最古の正史である『日本書紀』の続編にあたります。794年3月15日に完成し、文武天皇から桓武天皇までの約90年間(697年~791年)の歴史を記録しています。国家の公式な歴史書として編纂された六国史(りっこくし)の第2作目です。
日本書紀とはどう違う?
『日本書紀』は神話や伝説を多く含むのに対し、『続日本紀』はより実証的な歴史記録が特徴です。天皇の政策や災害、仏教の普及、外国との交流など、詳細な記述が多く、当時の政治や社会の様子が分かる貴重な資料となっています。
意外なエピソード!疫病とお酒の話
『続日本紀』には、奈良時代の疫病の流行についても記録があります。天平年間(8世紀)、天然痘が大流行し、多くの貴族や庶民が亡くなりました。このとき政府は祈祷だけでなく、「酒を飲めば疫病を防げる」との言い伝えを信じて、酒の醸造を奨励したといいます。現在の「アルコール消毒」とは違う発想ですが、当時の人々の知恵が垣間見えます。
まとめ
約1200年前に完成した『続日本紀』。今なお歴史研究に欠かせない資料です。次に奈良時代のことを調べるとき、この書物のことを思い出してみてはいかがでしょうか?
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