【社会人必見】『論語』が仕事にも役立つ理由

2018年9月27日


 

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タイムスリップ

 

社会人の皆さん、日々のお勤めご苦労様です。毎日毎日働いて働いて、自分の人生は一体何なんだろうと思ってしまうときもあるかもしれません。しかし、皆さんが働いていることには間違いなく意味があります。その意味が明文化されており、あなたを時に励まし、時に戒めてくれる書物こそが孔子(こうし)とその弟子たちの名言集『論語(ろんご)』です。

 

悩んでいるときにこそ『論語』を読んでほしいものです。今回は『論語』を読むと仕事をする上でなぜ役に立つのか、どのように役に立つのかについて解説していきたいと思います。

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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前向きに努力する心を育む言葉がある

陳平

 

『論語』には人を前向きにする力があります。おそらくそれは、『論語』の言葉を通して孔子が常に前向きに理想の君主を探し続けたパワーがヒシヒシと伝わってくるからでしょう。たとえば、今の自分の立場について不満がある人には次のような言葉がおすすめです。

 

位無きことを患えず、立つ所以を患う。

己れを知ること莫きを患えず、

知らるべきことを為すを求む。

 

これは里仁篇(りじんへん)に見える孔子の言葉です。今、自分の地位が低いということをくよくよ考える暇があったら、どうすれば地位を得られるかを考えた方が得策だ。今、自分を認める者がいないことをくよくよ悩む暇があるならば、今すぐに人に認められるための努力をはじめるべきだ。意味を補いながら訳すならばこんなところでしょう。現状についてうだうだ悩んだりぐちぐち言ったりしてないで、これからのことを考えて行動を起こせというのは本当に言い得て妙ですよね。

 

 

 

自分を戒めてくれる言葉がある

曹操を応援する曹仁

 

社会人になってそれなりの年数を重ねると、自分のことを心から想って叱ってくれるような人も少なくなってしまいます。これを「自分が一人前の大人になったから」と考える人もいるようですが、それは大変危険な思考です。真に「一人前の大人」であれば自分自身を自分で律することができます。しかし、自分で自分を律するというのは存外難しいものですよね。

 

そこでおすすめしたいのがやっぱり『論語』。『論語』はあなたを戒める素晴らしい言葉をたくさんもたらしてくれます。たとえば、社会人の皆さんにはこんな言葉がピッタリでしょう。

 

速かならんと欲すれば則ち達せず。小利を見れば則ち大事成らず。

 

 

これは子路篇(しろへん)に見える言葉であり、せっかちな弟子・子夏(しか)を戒めた孔子の言葉です。はやく成果をあげたいと思えば成功しないし、小さな利益に気をとられていれば大事を成し遂げることはできない。これは子夏に限らず、現代社会で戦う社会人の皆さんの琴線にも触れ得る言葉なのではないでしょうか。

 

 

孔門十哲

 

 

 

部下としても上司としても大切にしたい言葉がある

曹操

 

『論語』はリーダーのための教科書と言われますが、上司という立場にある人に限らず、部下という立場にある人が大切にしたい心がけについても記されています。たとえば、次のような言葉。

 

之れを知るを之れを知ると為し、知らざるを知らずと為せ。是れ知るなり。

 

知っていることは知っていると正直に言い、知らないことを知らないと正直に言うということこそが本当に知るということだという意味のこの言葉は、部下として謙虚で誠実な姿勢を保つために欠かせない言葉と言えるでしょう。また、次のような言葉も良き部下になるためのポイントが詰まっているのではないでしょうか。

 

学びて思わざれば則ち罔し。思うて学ばざれば則ち殆し。

 

 

学んでもそれを元に考えなければ物事の本当の意味がわからないままだし、考えることがあっても新しく学ぶことが無ければ独断に陥ってしまうために危険である。もちろん、部下だけではなく、上司の立場にある人にもぴったりな言葉はたくさんあります。たとえば、次のような言葉が挙げられるでしょう。

 

其の身正しければ、令せざれども行わる。其の身正しからざれば、令すと雖ども従わず。

kawauso

 

自分の行いが正しければ、わざわざ命令しなくとも部下の者たちは正しく動くが、自分の行いが正しくなければ、命令したとしても部下の者たちが従うことはない。上司という立場になったからといってふんぞり返ることなく、常に身を正しくして部下に接したいものですね。

 

 

 

三国志ライターchopsticksの独り言

三国志ライター chopsticks

 

『論語』といえば中学生くらいの時分に学校で習うもので、社会人になった自分にはあまり関係のないものだと思っている人もいるかもしれません。しかし、『論語』は社会人になった今こそ読んでもらいたい書物です。子供の頃には何も感じられなかったかもしれないその言葉も、大人になって読んでみるとその一言一言が重々しく感じられることでしょう。

 

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清朝考証学を勉強中。 銭大昕の史学考証が専門。 片田舎で隠者さながらの晴耕雨読の日々を満喫中。 好きな歴史人物: 諸葛亮、陶淵明、銭大昕 何か一言: 皆さんのお役に立てるような情報を発信できればと思っています。 どうぞよろしくお願いいたします。

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