Twitterなどは本音のメディアなんて言われます。日本社会は建前が強い世界なので、本音が言えるSNSは自分を出せていいとか言われたりします。しかし、TwitterやFBのようなSNSに本音はあるのでしょうか?そもそも本音って何なのでしょう?
思考実験
本音という漠然としたものを掴む為に、ひとつ思考実験をしましょう。あなたは妻帯者で可愛らしい妻がいます。しかし、ある日の朝ささいな事で妻と口論をしました。ここ数日仕事で嫌な事が続きイライラが募っていたあなたは、カッとなり「出ていけ」と妻を怒鳴りつけました。あなたに出ていけと言われた妻もムカッとして家を出てきました。さて、質問です?妻に対しての「出ていけ」はあなたの本音でしょうか?
本音とは心の底で眠っているあなたの気持ち
しばらくカッカしていたあなたですが、気持ちが落ち着いてくると妻に怒鳴った事を後悔し始めます。そして、内省して自分の怒りの根源が妻に起因するものではなく数日間の仕事のイライラを妻にぶつけたのだと悟ります。あなたは、自分がとんでもない事をしてしまった事に気づき、一刻も早く謝りたい気持ちに駆られ、神妙に妻の携帯に電話を掛けました。1分余りも待ったでしょうか?ようやく妻が不機嫌な様子で電話に出ました。あなたは「朝は言い過ぎた悪かった!戻ってきてくれ」と平謝りします。
さて、この夫婦がその後どうなったのか?皆さんの想像にお任せするとしましょう。もう一度質問します。あなたの本音とは「妻に出ていけ」と怒鳴った心でしょうか?それとも「朝は言い過ぎた悪かった」と謝る心でしょうか?大体の人は朝、怒鳴った事を後悔し妻に謝っている心が本音だと答えると思います。つまり本音とは心の底で眠っている落ち着いたあなたの気持ちなのです。
SNSの言葉は本音ではなく衝動
では、SNSについて考えてみましょう。例えばtweetする時、1時間も2時間も推敲する人がいるでしょうか?ゼロとは言いませんがまずいないでしょう。それは思った事を瞬時に世界に発信できるTwitterのメリットを殺していますし、最大で140文字を打ち込むのに2時間も掛かりません。
短文が瞬時に飛び交うSNSで発信されるコメントは次第に刹那的なモノになります。あなたは感情が高ぶり言葉が汚くなり、ヘイトすれすれの罵詈雑言も書き込むかも知れません。しかし、これはあなたの本音ではありません。もちろん建前でもありません。ここで出ているのは、ただの感情の爆発、衝動です。
本音を間違えないで
あなたの本音は濁流のように荒れ狂う感情の底で静かに流れています。SNSには本音が溢れているなんてバカもいいところで、あそこにあるのは醜い感情のぶつけ合いです。揺れる感情は、いつでもそれがあなたの本音であるように装いますが、いつでもあなたの本音はsnsを離れた時に静かに湧き上がってくる事を忘れないで下さい
▼こちらもどうぞ