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本来は前向きな思考だけど時に差別の原因となる公正世界仮説とは?

2023年4月1日


田続は鄧艾に恨みを抱えており暗殺

 

日本は、お天道様は見ているという概念や真面目に努力すれば必ず報われるという考えが深く根付いています。これは一見すると善い事ですが行き過ぎると被害者を攻撃し、差別する考えにも繋がってしまうのです。今回は被害者を責めてしまう心理、公正世界仮説について解説します。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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公正世界仮説とは?

週刊誌を楽しみにするkawauso様

 

公正世界仮説とは、この社会では、全ての人間の行いに対し最終的には公平な判断が下されると信じる傾向です。この仮説に立つと善人は必ず報われ、悪人は処罰される事になります。この考え自体は決して悪いものではなく、むしろ人々を善なる行動に向けてくれるものですが、飽くまでもこれは仮説であり、現実世界は必ずしも善人が報われ、悪人が処罰されるようにはなっていません。しかし、公正世界仮説を強く信じる人々は、この理不尽を受け入れる事が出来ず、しばしば何の落ち度もなく被害に遭った人を責めるようになる事があります。

 

 

社会の理不尽を受け入れられない

 

公正世界仮説を強く信じる人は、社会の理不尽を受け入れる事が出来ません。そのため、犯罪で被害を受けた人に対しても、この人にも落ち度があるから被害に遭ったのだと考えてしまいがちです。そう信じないと自分もいつか理不尽な犯罪の犠牲になったり、これまでの努力が報われないんじゃないかと不安になってしまうからです。この不安を免れるために、被害者の落ち度を探し、被害者だって悪いんだと蔑む事で心理的バランスを保とうとするのです。

 

 

 

自己責任で助けを求められない

 

公正世界仮説を強く信じる人は、普段は自他ともに厳しく真面目に頑張る人が多いのですが、病気になったり、失業したりするような不測の事態に陥っても、これは自分が悪いからこうなっているのではないか?と自分を責める傾向があります。普段、失業した人や病気で長期療養している人に厳しい目線を向けている分、自分がそうなった事が受け入れられず、他人に救いを求める事を躊躇してしまうのです。こうして出てくるのが全て自分が悪い、自分が蒔いた種と考える自己責任論であり、自分だけで何とかしようとして悪循環に陥る事もあるのです。

 

 

公正社会仮説を克服するには?

編集長日記08 kawausoさん、おとぼけさん

 

では、公正社会仮説を信じる傾向が強い人はどうすればいいのでしょうか?これには、世の中には理不尽な事があり、個人の努力や注意だけではどうにもならない事があると認識するしかありません。公正社会仮説を信じる人は普段は真面目で温和な努力家で、自分は他人に頼らずに生きていける、誰にも迷惑をかけてはいないと人に助けを求める事をよしとしないのですが、実際には人は生まれてから死ぬまでに無数の人々に迷惑をかけて、同時に迷惑を受けながら生きているのです。それは何故でしょうか?前触れもなくやって来る不幸に1人で立ち向かうには人間はあまりにも無力だからです。この事を思い出し、社会は助け合う事で成立している事を認識する事が大事でしょう。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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