ロシアが侵略を続けるウクライナ東部の都市、バフムトを巡り、ウクライナ陸軍のシルスキー司令官は5月15日SNSを通じて「バフムトでわが軍が前進している。これは防衛作戦の中で攻撃面での最初の成功だ」と評価しました。ウクライナのマリャル国防次官も14日「バフムト郊外で10カ所以上の敵の陣地を抑えた。激戦が続いている」と発表しています。
参考:ウクライナ軍側“バフムトで前進中” ロシア軍は指揮官2人死亡
ロシアサイドは指揮官2名が死亡したと発表
ロシア国防省は5月14日、バフムト近郊での戦闘で指揮官2名が死亡したと発表し、この中の1名は「敵の攻撃を撃退する途中、複数の砲弾を受けた」としています。タイミング的にウクライナ側の発表と重なり、バフムトでウクライナ軍の反撃が始まっているのは間違いないようです。
ロシアは戦時国際法違反の無差別爆撃で抵抗
ロシア軍は、5月13日から14日にかけ、ウクライナ南部のヘルソン州や東部ハルキウ州で住宅などを攻撃。これまでに合わせて8名が死亡したとウクライナ当局が明らかにしています。また、ロシア軍はタイミングを合わせ、ウクライナ各地をイランの無人機やミサイルで攻撃していました。アメリカのシンクタンクはロシア軍の動きを、ウクライナ軍の反転攻勢を牽制し能力の低下を狙ったものと分析しています。しかし、軍事施設以外の場所への攻撃は戦時国際法違反であり、ロシアに対する国際世論の反発はさらに激しくなると考えられます。
今年中にロシアの敗北を決定づける
ウクライナのゼレンスキー大統領は、5月14日ロシアによる軍事侵攻以降、初めて訪れたドイツで演説。「今年中にロシアの敗北を決定づける事が出来る」と述べ、欧米サイドの軍事支援を背景に反転攻勢を成功させる事に自信を示しました。
まとめ
ウクライナ軍の粘り強い奮戦と、ロシア軍の非人道的な国際法違反の蛮行の数々により、国際世論の非難は強まり、それまで軍事支援の腰が重かった欧州各国のウクライナ支援の動きが加速しています。戦争は軍事力だけではなく、正当性が重要であり屁理屈でウクライナを解放すると宣ったプーチン大統領に率いられるロシア軍は国土防衛の祖国愛に燃えて困難な戦いに挑むウクライナ軍に敗れ去りつつあると言えるでしょう。
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