ワシントン・ポスト紙は7月20日、ロシアの侵略を受けるウクライナ軍が南東部の前線でアメリカから供与されたクラスター弾の使用を始めたと報じました。親爆弾から数個から数百個の子爆弾をまき散らすクラスター弾は民間人を無差別に殺傷する危険がありオスロ条約で使用が禁止されていますが、アメリカ、ロシア、ウクライナは加盟していません。
以前からクラスター弾は使用されている?
記事の内容では、ウクライナの戦場で初めてクラスター弾が使用されたかに見えますが、実際にはアメリカが供与したクラスター弾が使用され始めたが正しいようです。というのも、オスロ条約に加盟していないロシアもウクライナも開戦当初からソ連製のクラスター弾を使用しているからです。
アメリカのクラスター弾は何が違う?
では、ロシアとアメリカのクラスター弾はどこが違うのでしょうか?情報ではロシアのクラスター弾の不発率が30%もあるのに対し、アメリカのクラスター弾は不発率2.35%で高確率で爆発するとされています。クラスター弾の問題は不発弾として残り、戦争が終わってから民間人が二次被害に遭うダーティボム(汚い爆弾)の側面ですが、不発率が低いアメリカのクラスター弾なら、その恐れは低いのではないかと言われています。もっとも実際の戦場の地形は様々である事から、アメリカ製のクラスター弾の不発率2.35%は怪しいと見る識者もいます。
不発弾が残るのはウクライナの大地である
ロシアとウクライナの双方が使用しているクラスター弾ですが、戦場はウクライナであり、戦後の不発弾の恐怖に怯えるのはウクライナ人という事になります。それでも劣勢が続くウクライナでは、殺傷能力が高いクラスター弾を使用せざるを得ない状態にあるのでしょう。
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