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コーヒーカップの小皿の意外な[歴史]

2023年12月26日


 

コーヒーカップには、ソーサーと呼ばれる小皿がついていますよね?いかにも上品な感じに見えるソーサーですが、元々の目的は装飾ではなかったってご存知ですか?

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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ソーサーは本当に皿だった

塩が途切れて白旗を挙げるイギリス海軍の帆船

 

ソーサーは、カップを置く受け皿として知られています。しかし、これは現在の役割であって18世紀には別の役割を持っていました。18世紀頃、ティーカップには現在のように取っ手がついていませんでした。そのため、当時のティーカップは紅茶の入れ物として機能していたのです。代わりに飲み物の器として機能していたのがソーサーでした。18世紀のマナーでは、ティーカップの中身をソーサーにあけて冷まして飲んでいたのです。今から見ると品が無いですが、イギリスでは古来より椀から直接飲み物を飲む習慣がなく、スープもスープ皿で取り分けるので、ソーサーを受け皿に使用する事に違和感がなかったのです。

 

 

20世紀初頭まで続いた飲み方

暗殺の天使 シャルロット・コルデー

 

ティーカップから飲み物を移していたので、当時のソーサーは現在よりも、底が深かったようです。この飲み方は20世紀初頭まで続きますが、次第に野蛮な飲み方であると非難されるようになり、取っ手がついたカップが普及した事から、カップに口をつけて飲むのがスタンダードなスタイルになります。

 

 

役割が消えたソーサーは装飾品となる

日本最古の銀行(現・みずほ銀行)を設立する渋沢栄一

 

こうして、飲む器という存在意義を失ったソーサーは深さが不要になり、浅く平たい皿へと変化します。やがてカップの据わりがよいようにくぼみがついたソーサーも登場するようになるとソーサーが飲み物の容器だった事実も消えてゆきました。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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