十字架に架けられた人物といえば、イエス・キリストが有名です。自らを救世主と名乗って、ユダヤ教の堕落を批判したイエスは、ユダヤ教を信奉する実力者達にとって目ざわりな存在となり神を冒涜した罪で十字架に架けられ、ローマ兵、ロンギヌスの槍で貫かれて死に、3日後に甦ったとされています。でも、別に槍で突かれなくても十字架刑は死刑の一種だったってご存知ですか?
十字架にかけられた人間はどうやって死ぬ
十字架刑が死刑の一種と聞かされてもピンとこない人は多いでしょう。腕や足を五寸釘で貫くとはいえ、それが原因で絶命するようなイメージはありません。だとすると出血多量や餓死、または傷口から細菌が入って感染症で死ぬのでしょうか?いえ、実際に十字架刑に架けられた人は最後には窒息死するのです。
重力によって体が下がり呼吸が出来ずに死ぬ
十字架に架けられている姿勢を思い出してみて下さい。両手に釘を打ち付けられ鳥が翼を広げたような姿勢ですよね?次に人が呼吸する時をイメージしてみましょう。胸を反らせて横隔膜を収縮させますが、この時には、どうしても姿勢を上向きにしないと胸が詰まり、息が出来ませんね?そうです!十字架に架けられた人は体力がある間は、なんとか筋力で体を上向きにして呼吸するのですが、数日間飲まず食わずで放置されている間に疲れ果てて、体を上向きに出来なくなり、そのまま呼吸困難で窒息死してしまうのです。
十字架刑は緩やかに窒息死させる残酷な刑
このように十字架刑はただ、手と足に五寸釘を打つだけでなく、最終的に人を窒息に追い込んで殺す残酷な刑罰なのです。この十字架刑、イエスの生きていた時代には、わりと頻繁にあった見せしめ刑であったようです。こうしてみると不謹慎ではありますが最終的に窒息でもだえ苦しんで死ぬよりは、一思いに槍で突きさして殺したほうが、まだ温情措置だったのかも知れませんね。
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