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藤原道隆の独裁は健康不安から?[光る君へ]

2024年4月20日


藤原兼家 平安時代

 

NHK大河ドラマ「光る君へ」第14話では、道長や道隆の父である藤原兼家が病死しました。兼家の死後は、嫡男の道隆が後継者になりますが、娘の定子を強引に皇后格の中宮にして、皇后が2名並立する事態を招いたり、17歳で実績もない嫡子の伊周を右近衛中将・蔵人頭に任命して、猛反発を喰らうなど、父の兼家を越える強引な独裁政治を開始しました。ドラマではそれまで温和な貴公子として描かれていたために、血は争えないと思われた道隆ですが、実際の理由は道隆の健康状態にあるのかも知れません。

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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朗らかで温厚ながら大酒飲みの道隆

藤原道隆

 

大河ドラマでは、度々、白磁の酒器に酒を入れて飲んでいるシーンがある道隆ですが、史実の道隆は、これに輪をかけた大酒飲みでした。道隆はどこへ行っても酒を手放さず、牛車の中でも酒を飲み、泥酔して前後不覚になり、烏帽子も落として道端で熟睡する事も一度や二度ではなかったそうです。そのため、晩年には糖尿病がかなり進行していたと考えられます。

 

 

遺伝的に糖尿病が多い藤原氏

藤原実資

 

道隆のみならず、藤原摂関家には糖尿病による合併症が原因で死んだ者が何名かいます。道隆の伯父である藤原伊尹も糖尿病の合併症である背中の腫瘍が原因で急死していますし、弟の道長の死因も糖尿病の合併症でした。遺伝的に考えると道隆も糖尿病になりやすい遺伝子を持っていると考えられ、そこに大酒飲みが加われば、糖尿病まっしぐらでしょう。そんな道隆ですが、酒を辞めようとは微塵も考えなかったようで、病気が悪化して死に瀕しても、先に死んで極楽に言った友達と酒が飲めることを喜んでいたそうです。

 

 

嫡男、藤原伊周の権力安定の為に無茶をした

藤原斉信_平安時代

 

そんな道隆が藤原氏長者になったのは、37歳の時です。その時、嫡男の伊周は16歳で、まだまだ道隆の後継者には若すぎる状態でした。道隆は42歳で病死しているので、伊周が21歳になるまでしか生きられなかった事になります。そのため、道隆は自分の目が黒いうちに、伊周の官位を急速に引き上げ、同時に娘の定子を皇后にして、一刻も早い男子誕生を切望する事になります。それが、常軌を逸するような伊周の急激な昇進として現われ、周囲の人々は、道隆が家の繁栄だけを考えていると非難するようになったのです。

 

 

道隆の強引が祟り、伊周の信望は地に落ちた

一条天皇 平安時代

 

道隆の嫡男の伊周は優秀な人物でしたが、あまりにも若過ぎました。道隆は死に臨んで伊周を関白にするように一条天皇に願い出ますが、21歳の若すぎる関白に不安を感じた天皇は却下し、関白は道隆の弟である道兼に譲られる事になりました。この道兼も疫病で急死して七日関白と称され、次の内覧として伊周と道隆の弟の道長が浮上しますが、伊周は権力闘争に敗れ、内覧は道長に決し、道隆の中関白家は没落していきました。

 

 

まとめ

朝まで三国志2017-77 kawauso

 

本来は酒好きで朗らかな性格だった道隆ですが、健康不安と幼い後継者、伊周の事が気がかりで自分勝手な独裁人事に踏み切ったと考えられます。本人はもう少し生きられるつもりだったのかも知れませんが、強引な政治手法は道隆の求心力を低下させ、息子伊周の出世にも影を落としたのです。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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