ロシア軍がドローン攻撃で負傷した戦友を救助するのではなく、頭を撃って射殺する映像が公開されました。画像を見る限り、負傷者が頭を撃つように指示しているようでもありますが、ロシア軍内部に蔓延した残忍な文化だと断じる専門家もいるようです。
テレグラムの映像で発覚
問題の映像は6月23日テレグラムのチャンネルに掲載されたもので、数人のロシア兵士が避難していると、1人の兵士がドローンの攻撃を受け倒れます。倒れた兵士が自分の後ろにいた同僚に向かい、自分の頭を指差すと同僚兵士は、すぐに自動小銃で負傷した兵士の頭を撃ちぬきました。負傷者を治療したり非難させたりせずに殺害する行動は、フラッギング(故意による味方殺傷)と呼ばれ、軍隊の規律が極度に劣悪になり、戦術指揮官と部下の信頼関係の断絶が起きて、人間の生命を露骨に無視している事が原因ともされ、ロシア軍内部に蔓延した残忍な文化を浮き彫りにするものだと分析する専門家もいます。
映像は真偽不明のため注意は必要
ただし、今回の映像、掲示者は同僚の要請でロシアの軍人が負傷した味方の頭を撃ったとしつつも、事件が発生した正確な位置も映像の出どころも伝えていません。そのため映像自体がロシア軍を貶めるために作成されたフェイクの可能性もあり、現時点で掲示者の主張を鵜呑みにするのは危険です。
以前から兵士の虐待が非難されたロシア
しかし、ロシア兵が負傷した味方を救助するのではなく射殺したケースは、今回ばかりではなく2022年にもあり、ロシアは過去から現在まで負傷兵に対する虐待で国際的な非難を受けてきた経緯もあります。ロシア軍ブロガーの情報ではウクライナ東部のロシア占領地ドネツクでスラブ旅団所属の負傷者が適切な治療も受けられず、監獄のような環境に抑留されているとの情報を伝えています。
軽視されるロシア兵の人命
ロシアでは、毎月3万人の兵力が新たに前線に送り込まれる一方で、戦闘車両の供給が1/4であり、満足な防御もないまま歩兵を前線に突撃させ、ウクライナ軍の大砲や自爆型ドローンの餌食になるケースも散見されています。また、物資供給も滞る地点もあり、慢性的な人余りと物資不足が兵士の命を相対的に軽く見るロシアの軍事的文化によって助長され、自軍兵士の虐待事例として現れているのでしょう。
▼こちらもどうぞ