開戦から二年五ヶ月が経過したウクライナ戦争、ロシア軍の侵攻は少しずつしか進まないとはいえ、ウクライナは全領土の7.2%を占領され、取り返すまでには至っていません。この状況が固定されるとロシアは占領地域でのロシア化を進め、ウクライナのロシア領化が進行するでしょう。では、この状況を打開するにはどうすべきなのでしょうか?
5万人の死者が出てもロシアで反戦運動が起きない理由
2年半以上も戦争が続き、確認できただけでも5万人の兵士が戦死したロシア、それなのにどうしてプーチン政権は安泰なのでしょうか?その最大の理由は国内のロシア人にとって、ウクライナ戦争が他人事だからです。ロシア連邦共和国の人口は1億4000万人を数え、5万人の死者が出ても、それは一部の出来事で済んでいます。ロシア人は戦争が起きた事を知っていますが、自分たちの土地には銃弾も飛んでこないし爆弾も落ちて来ず、日常生活が続いているので何の実感もありません。さらに国内ではプーチン政権の政治宣伝が徹底していて、ロシアの戦争が正義であると多くの国民は信じています。この状態ではプーチン大統領を退陣に追い込むような行動は起きないでしょう。
ロシア国内への攻撃の許可
ロシア人にウクライナ戦争を我が事として認識させ、嫌戦気分を引き起こすには、ウクライナに武器を供与している諸国がロシア国内への攻撃を許可するしかありません。ロシアは現在、ウクライナからの自国領土への攻撃がない事を前提に軍需産業などの分散化をしていません。ウクライナは長距離兵器で、これらの軍需工場を破壊したり、発電所やライフランを破壊する事でロシアの兵器生産力を大幅に低下させる事が可能です。
ロシア国民を戦争に巻き込む
兵器の生産力が落ちれば、可哀想ですが前線でのロシア兵の死傷者が増加し、国内から徴兵されるロシア兵が増えて生産活動に影響が出ます。そうなれば工場作業への大規模動員が実施され、ロシア国民の職業選択の自由は狭まるでしょう。実際、ロシアで大規模動員が実施された時にはプーチン大統領への支持率は低下しました。戦争に無関心なロシア人を戦争に巻き込み、日常生活に不便を生じさせればプーチン政権への支持率が低下し、プーチンは目隠しの戦争を継続できなくなるのです。
ロシアの核の脅しに動じず決断を
ロシア領内への攻撃を許可すれば、ロシアが核カードをちらつかせ恫喝に転じる事は間違いないですが、いかにロシアでも世界中と戦って勝てるわけがない事は知っています。特にウクライナに武器を供与している同盟国が率先して協調しウクライナのロシア領内への攻撃を認めるべきでしょう。ウクライナの勝利は奪われた7,2%の領土をロシアから奪い返すのが最低ラインで、2022年のウクライナ戦争開戦前に戻す事が絶対に必要です。
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