ロシア軍の伝統的な戦術とは、戦車を含む圧倒的な大砲の威力でした。それ以外の部分がどんなにマズくても、圧倒的な人員を送り出し、戦車を含む大砲で都市を砲撃し遮蔽物を破壊して進むのが、ロシアの必勝パターンなのです。しかし、ロシアの戦車は減少の一途をたどり、2025年半ばから後半にかけて枯渇の臨界点に到達するとされています。
予想外の反撃に多くの戦車を失うロシア
ロシアは、当初ウクライナは数週間で落ちると楽観視していました。しかし、兵力と武器で劣るウクライナは後退を繰り返しながらゲリラ戦術に転じ、ドローンを飛ばしてロシアの戦車や大砲を地道に破壊しました。そのためにロシアは戦車不足に陥り、旧ソ連時代の戦車や戦車よりも装甲が薄い歩兵装甲車などで対応していますが、近年、ウクライナ軍によるロシア戦車及び大砲に関する破壊数が伸びていて、いよいよロシアの戦車の枯渇が深刻になっています。
亀戦車などは苦肉の策
最近ではウクライナ軍が施設した地雷原を除去する為に、旧式戦車にロシア国民の支援でつけた防御装備を乗せた通称亀戦車まで使用しているロシア軍。このような戦車を繰り出すにしてもロシア国民からカンパを募る自体、戦車及び大砲がロシアから急激に失われている事実を表しています。
在庫の旧戦車も稼働の限界に
新型戦車の消耗を補うべく、旧ソ連時代の戦車を倉庫から引き出しているロシアですが、ある程度状態が良い旧戦車は在庫切れを起こしつつあり、残っている戦車は長年露天で風雨に曝され、かなり劣化してきているようです。これらを修理して使うのはさらに時間がかかり、ウクライナでのロシアの戦闘能力に影響を及ぼすと考えられています。
2025年半ばにロシアが防戦に転じる
旧式戦車の活用能力は2025年半ばから後半に「枯渇の臨界点」に達すると予測する有識者もいます。それによりロシア軍が年末までに、攻勢から一転して防衛的な戦いを強いられる可能性があるようです。既にロシアは開戦時に保有していた戦車を上回る3000両の戦車を失ったとの推測もあり、ロシアが伝統としている砲の力を失った時、戦線は劇的に変化するのかも知れません。
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