ウクライナ海軍は、2014年からロシアが実行支配しているクリミア半島に駐留するロシア黒海艦隊の全艦船が姿を消したと発表しました。一時は劣勢のウクライナ海軍に対し優勢だったロシア黒海艦隊に何があったのでしょうか?
7月14日に最後のクリヴァク型フリゲート艦が移動
オレクシー・ネイジパパ、ウクライナ海軍長官は、ロシアは占領下のクリミアから、ほぼすべての即戦力艦艇の移転を余儀なくされたと発表しました。7月14日には最期まで残っていた黒海艦隊のクリヴァク型フリゲートの移動を確認したそうです。
至近距離からのウクライナ軍ドローンの攻撃
クリミア半島はロシアが2014年以来、実効支配し黒海艦隊にとってもウクライナを牽制するために重要な寄港地でした。元々、ウクライナには開戦時に黒海で動かす事が出来る艦艇はありませんでしたが、ウクライナは艦隊戦ではなく、自爆ドローンや自爆ボート、あるいは、米英仏からの支援を受けた長距離ミサイルを使い、連続で黒海艦隊に損害を与えていました。ロシア黒海艦隊の移動が恒久的なものか、一時的なものか定かではありませんが、移動の背景にウクライナのドローン攻撃がある事は間違いなさそうです。
ウクライナは27隻のロシア艦船を沈没、破壊
ウクライナの主張では黒海艦隊の旗船であるミサイル巡洋艦モスクワをはじめ、巡航ミサイル発射能力を持つカラクルト型コルベット「ツィクロン」等、27隻のロシア艦船を沈没、破壊、損傷したとしています。当初は黒海艦隊もドローンやミサイルに反撃する構えを見せていましたが、現時点の技術でそれは不可能であり、損害が増える前にウクライナ軍の射程距離外に虎の子の艦隊を逃がしたというのが真実に近いでしょう。願わくば二度と帰ってきて欲しくないものです。
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