8月6日より開始されたウクライナ軍のロシアクルスク州への越境攻撃が1週間を超えて続いています。ウクライナのゼレンスキー大統領はビデオ演説で、すでにクルスク州の70以上の集落を管理下に置いていると主張しました。
ロシア国境への打撃がウクライナの平和と安全に繋がる
ゼレンスキー大統領はビデオ演説で、国境付近のロシア軍を撃退すればするだけ、ウクライナの平和と安全は近づくとし、今回の越境攻撃の狙いを強調しました。これまで防戦に徹し、ウクライナ領内でロシア軍を退けてきたウクライナですが、逆にロシア領内を攻める事で、ウクライナ領内のロシア軍を引き上げさせる効果を上げた形です。
ロシア軍が東部ドネツク州から兵力を撤退
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」の分析では、ロシア軍がクルスク州への攻撃に対処すべくウクライナ東部ドネツク州から部隊の一部を引き上げてクルスク州へ移転している可能性があると指摘。ロシア軍はロシア領内の軍事力だけではウクライナ軍の攻勢に対応できず、ウクライナ領内に攻め込んだ部隊を引き上げさせるなど対応に苦慮しているようです。
ベルゴロド州は非常事態を宣言
ウクライナ軍のクルスク州への越境攻撃を受けて、隣のベルゴロド州のヴャチェスラフ・グラトコフ知事は州内は非常に緊迫し、連日ウクライナ軍から砲撃を受けているとコメントし住民保護のために14日、非常事態宣言を発令しました。
ウクライナ軍の無人機攻撃ロシア8州へ拡大
クルスクへの越境攻撃にあわせてウクライナ軍の無人機攻撃も活発化していて、ロシア国防省はクルスクやベルゴロドなど、8つの州で117機の無人機を撃墜したと発表しました。
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