ウクライナに対するロシアの軍事侵略を受け、世界各国の高官がエネルギー分野の安全保障について議論する国際会議が開かれることが明らかになりました。この会議では、戦争で敵国の発電所等のエネルギー施設への攻撃を国際人道法違反とし、これを決して容認しないとする参加各国の共同声明の採択が目指されています。
会議はオンライン
国際会議はウクライナが提唱した10項目の和平案の中で「エネルギー安全保障」に関する議論をおこなうため、8月22日にオンライン形式で開催される予定で、ウクライナが招待した52の国や機関が参加を予定しているようです。
無差別攻撃を繰り返すロシアへの牽制
エネルギー安全保障会議の焦点となるのは、ロシアによる発電所などエネルギー施設への攻撃に対する国際社会の対応についてです。共同声明案ではエネルギー施設への攻撃は国際人道法に明らかに違反していて、決して容認できないと強調されているようです。また、同時にエネルギー施設をロシアの攻撃から守るため、国際社会はウクライナの防空能力を強化するためのより強い支援が必要であるともしています。戦争は軍隊同士がおこなうものであり、敵国への攻撃が市民を巻き添えにしたり、ライフラインを破壊して市民の日常生活や医療サービスを受けられなくするのは明確な国際法違反です。しかし、ロシアは意図的にこれを破っています。
国際秩序よりロシアとの関係を重視する国々
しかし、ウクライナが提唱する和平案に関しては、国際秩序よりもロシアとの関係を重視する諸国からの支持を得られていない状況が続いています。また、ロシア自体がウクライナ軍によるロシア西部クルクス州への越境攻撃が行われたことで和平交渉に応じる姿勢を保留していて、ウクライナ戦争の和平への道筋は見通しが立っていません。
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