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[小栗忠順]幕末の天才大蔵大臣!功罪を超えた伝説

2024年10月11日


 

 

小栗忠順(おぐりただまさ)は幕末の財政再建と富国強兵(ふこくきょうへい)で有名になりました。幕政改革を一手に引き受けたことで、思わぬ功罪が生まれました。この記事では、小栗忠順の幕政改革の功罪について取り上げます。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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小栗が大蔵大臣と呼ばれた理由とは?

 

最初に小栗忠順とロッシュとの関係について取り上げます。『小栗忠順とレオンロッシュ。最後までフランスが幕府を支援していた理由とは?』によれば小栗の旧知の通訳を通してロッシュと出会うことになりました。フランスの支援を得られたので、小栗は海軍力強化のため44隻の艦船を購入することができました。艦船以外では大砲や銃を大量に購入しています。フランスの支援で軍事力だけでなく経済にも力を入れました。横須賀製鉄所の建設と株式会社兵庫商社の設立に尽力しましたが、兵庫商社については大阪の有力商人から100万両という資金出資を受け設立された会社で、当時の設立資金としては別格でした。

 

 

幕府を一貫して守ろうとした小栗

 

なぜ小栗忠順は幕府を守ろうとしたのでしょうか。蝦夷地(北海道)を担保にしてフランスとの借款契約をしていることが理由の一つとして挙げられます。

 

徳川慶喜(幕末)

 

他に考えられる理由として、徳川慶喜(とくがわよしのぶ)をトップとする政治体制で、江戸幕府の体制を修正しただけで近代化ができると考えたことが挙げられます。また、フランスがイギリスに対抗していたことも考えられます。小栗はフランスの支援によって東洋一の艦隊を短期間で作ったという経験から江戸幕府の封建主義的な体制を修正するだけでよいと考えたのかもしれません。

 

 

江戸城無血開城・その時小栗は「徳川埋蔵金」を隠した?

江戸城

 

徳川埋蔵金と言えば、年末の特番で話題になっていました。特番で放送されますが、発掘調査しても埋蔵金は見つかりません。埋蔵金はどうなったのか気になります。考えられる説として、幕府には金がなかったことが考えられます。小栗はフランスの借款という支援で軍隊を作ったこと、兵庫商社への出資金が大阪の商人から募っていることを考慮するとこの説は有力であると考えられます。

 

江戸城明け渡しの直後から明治新政府は江戸幕府の政権機能の引き継ぐ形でスタートしました。大蔵省は幕府・勘定奉行(かんじょうぶぎょう)からほとんど何も引き継ぎ資料を受け取れない状況でスタートしています。おそらく、不正な財政運営を見られたくなかった江戸幕府が証拠を隠滅(いんめつ)した可能性が考えられます。

 

 

徳川埋蔵金が招いた悲劇・新政府が小栗にとった仕打ちとは

お金

 

小栗忠順は江戸城無血開城後に自らの領地がある栃木県に移ります。江戸城無血開城後、江戸城の金庫を見た新政府軍は金庫が空であることに驚愕(きょうがく)し、栃木県にいる小栗が埋蔵金を持ち出したと疑いました。

 

新政府軍は小栗を逮捕しますが、取り調べもしないで斬首しました。梟首(きょうしゅ)という刑で首が(さら)されていました。新政府軍が小栗を嫌っていた理由として次のことが挙げられます。小栗の発案した優れた近代的手法は富国強兵で模倣せざるを得ない状況が予想されたため、その小栗の功績をあらかじめ消したかったからだと考えられます。また、小栗がフランスから多額な借金をするために北海道を担保にしようとしたことも小栗斬首の動機になったと考えられます。

 

 

幕末ライターオフィス樋口の独り言

三国志ライター オフィス樋口

 

今回は小栗忠順の功罪について取り上げました。小栗は勘定奉行で、老中より下の役職ですが、小栗の富国強兵など実績を見ると、フランスの公使ロッシュが大蔵大臣と間違えてしまうのも納得してしまいます。年末特番の徳川埋蔵金のきっかけが幕末の天才で勘定奉行の小栗忠順となっています。徳川埋蔵金については特番が少なくなり忘れられそうになりますが、今後の発掘調査にも注目したいと思います。

 

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オフィス樋口

オフィス樋口

自己紹介:フリーランスで予備校の講師をしています。 歴史が好きで、予備校では主に日本史を指導しています。 センター試験の点数を40点台から80点台に伸ばした実績があります。 好きな歴史人物:徳川慶喜(理由:多趣味であることが共通しているから)

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