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戦国時代の大誤解!石高が大きいのは善い事ばかりではない

2023年2月19日


名古屋城

 

 

戦国時代はTVでも視聴率が取れる数少ない歴史コンテンツで、戦国大名石高ランキングなどが人気です。当時、大名の勢力は石高で表されていたので、石高が高い大名ほど有能で石高が低いと大した事がない大名に見えるかも知れません。しかし、それはハッキリ言って間違いなのです。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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石高が大きいほど軍役負担が大きくなる

井伊直政

 

戦国時代の石高とは、単純に大名の経済力の大きさではありませんでした。当時は石高に応じて軍役が課されていたからです。軍役については諸説ありますが1万石につき250人が相場で、10万石なら2500人ですが、100万石なら25000人動員しないといけません。また、戦国時代の合戦費用は大名が自腹で出し、その後に奪い取った領地や金銭で埋め合わせる先払い方式でした。勝てばいいですが引き分けたり負けたりすると、もちろん報酬はなく借金がかさむ事になったのです。

 

 

石高が低くても軍役負担が小さいと裕福

小早川秀秋が裏切りブチ切れる石田三成

 

 

戦国大名の中には、石田三成のように秀吉の右腕なのに19万4000石とあまり石高が大きくない武将もいます。しかし、石高が小さいと言う事は軍役も小さく、負け戦や引き分けが続いても借金がかさむリスクは小さくなります。あえて高い石高を望まず、そこそこの石高で軍役負担を軽く済ますというのも、大名の生き残り戦術としては有効だったのです。

 

関連記事:石田三成は冷たい人だった?手紙から分かる戦国武将の性格

 

石高が大きいとお家騒動のタネになる

軍議(日本史)モブb

 

軍役以外にも大名は領地が増えると、その分大勢の家臣を抱えないといけませんでした。たとえば、織田信長の勘気を被り、高野山に追放された佐久間信盛の罪状にも石高が大きいのに金銭をケチって必要な家臣を雇わなかったという一文があります。

織田信長に追放される佐久間信盛

 

 

このように石高が大きいと否応なく家臣が増え、それぞれが派閥を造って揉める事にも繋がります。その点、石高が低い大名は家臣も少なく、目が届きやすいのでお家騒動のリスクも軽減されるのです。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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