先進7か国(G7)は5月20日午後、広島市で開催中の会議の成果をまとめた首脳声明を発表しました。声明では「ロシアによる違法な侵略戦争に直面するウクライナを必要とされる限り支援する」と明記。同時にロシアに影響力を持つ中国に対し「ロシアに即時かつ無条件にウクライナから撤兵するように圧力をかけることを求める」と踏み込んだ文言が盛り込まれました。これは現在も、ロシア寄りの態度を取り続ける中国への牽制であり、中国政府は反発しています。
ロシア同様武力による現状変更を試みる中国を牽制
首脳声明ではさらに「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や途上国などG7域外のパートナーとの連携を強化。「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化する」と打ち出しました。同時に拡大膨張政策を続ける中国には、対話と協力の必要性を指摘し東・南シナ海への強引な海洋進出を牽制。継続的に続けられている力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対し、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調しました。
岸田総理のファインプレー
岸田総理は同月21日、広島市内でゼレンスキー大統領と会談し、100台規模のトラックなどの自衛隊車両や自衛隊員が訓練や災害派遣で食べる携行食「非常用糧食」を約3万食分提供すると表明しました。両首脳の会談では、岸田総理の3月のウクライナ電撃訪問も話題となり、ゼレンスキー大統領は「ウクライナの主権と領土の一体性に対する支持を表明いただき一生忘れることはない」と応じました。
ウクライナとの友好は軍事でも経済でも重要
岸田総理は内政面では何一つ褒められる部分はありませんが、外交については上手くやっています。特に、ロシアとプーチン大統領を見苦しく擁護する自民党内の雑音に耳を貸さず、G7と歩調を合わせ声明においても、ロシアのウクライナ侵略をきっちりと非難したのは、今後のウクライナとの友好関係においても計り知れないプラスとなるでしょう。
ウクライナは「欧州のパン籠」と呼ばれるほどの世界一肥沃な土地を持ち、食糧安全保障においても重要な相手です。また、同じくロシアと国境を接している点においてもロシアとの実戦を継続中のウクライナからロシアへの対策を学ぶ事は有益でしょう。
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