昭和生まれの誰もが知る不良漫画と言えば、木内かずひろのBEBOPハイスクールです。漫画は20年を超える長期連載を続け、途中何度も実写映画とアニメ化がされたこの作品ですが、BE-BOPハイスクールには、バイクが登場しない理由をご存知ですか?
理由は木内かずひろがバイクが描けないからではない
BE-BOPハイスクールにバイクが登場しない理由について、一部では作者の木内かずひろがメカを描くのが苦手で避けていたという話もあります。しかし、木内先生は漫画内でより面倒臭そうな電車はちゃんと描いていて、メカが下手だからというのは俗説に過ぎないようです。では、BE-BOPハイスクールにバイクが出ない本当の理由はなんでしょうか?
本当の理由は暴走族を出したくないから
BE-BOPハイスクールにバイクが出てこない理由、それは、木内先生が暴走族を登場させたくなかったからだそうです。連載が開始された1980年代は暴走族の全盛期でした。そんな状態でバイクを登場させるとどうしても暴走族に触れないといけなくなるので、バイク自体を描かない事にしたのだそうです。
高校生不良のケンカの毎日を描きたい
では、どうして木内先生は暴走族を描かなかったのか?それは、暴走族を登場させると高校生不良の学校同士の抗争が描けなくなるからでした。暴走族は単車で集まる性質上、同じ高校ではない広域の不良が集まります。そうなると学校を越えて顔見知りの不良が多く出てきてしまい、BE-BOPハイスクールの定番である愛徳や立花、城東や北高のような高校同士の「お前、どこのもんだ?」のメンチ切りから始まる縄張り抗争が描きずらくなるのです。それに高校同士の対立と暴走族の抗争では、暴走族の抗争がより規模が大きく、喧嘩も過激になります。高校生同士のケンカの日常を描きたい木内先生としては暴走族が漫画に絡むのは困るので登場させなかったのです。
家族が出ないのも同じ理由
また、BE-BOPハイスクールでは不良たちの家族というのはあまり出てきません。有名な所では立花高校の副番ミノルと顔がソックリの姉などがいますがギャグパートで出てくるだけで、本筋の話には絡んできません。これにも理由があり、不良でも家に帰れば、誰かの兄や弟であり息子で、喧嘩とは無関係な1人の高校生になってしまうからです。漫画では強面の不良が家庭では親孝行だったり、逆に家庭環境が荒んでいて、グレても仕方ない状態だと、気の毒になったり拍子抜けしたりして読者が漫画に入り込めなくなります。BE-BOPハイスクールは、不良漫画なので登場人物が不良でなくなる部分は一切描かないという方針だったわけです。
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