はごろもフーズの「シーチキンSmile オイル不使用マイルド」から生きた幼虫が出てきたと題した動画のツイートが、大きな反響を呼び、3000万回以上もの表示回数を記録しています。メーカーは現在調査中であると説明していますが、ツイートには疑問の声も上がっています。それは、高温と真空で殺菌された缶詰の中で、生きた幼虫が生存できるのかという疑問です。
謝罪もなく回収された許せないとツイッターで告発
動画では、生野菜と合えたシーチキンに幼虫がいるという指摘がなされ、箸でつまむと生きた幼虫が確認できる様子が映っています。この動画をツイッターで投稿した人物は、動画の撮影者とは異なるようですが、大手食品メーカーの商品から生きたウジが出てきたとして、メーカーが謝罪もなく回収したことに対し、怒りのコメントを投稿しました。このツイートは大きな反響を呼び、2023年3月21日時点で3000万回以上もの閲覧回数を記録しました。
はごろもフーズは現在確認中
告発されたはごろもフーズは、SNSの投稿を確認したことを明らかにしています。同社は、「一般的に缶詰やレトルトパウチ製品は、容器を密封した後に高温・高圧で殺菌しています。万が一、密封前に虫等が混入しても、生存できる環境ではありません」と説明しています。そして、今回の生きた幼虫の出現については調査中であり、個別の案件でもあり、詳細の回答は控えると述べています。
幼虫はウジではなく生野菜につくヒラタアブでは?
この動画に関しては、当初から幼虫はシーチキン缶から出現したのではなく、生野菜から出現したのではないかという疑問の声が相次ぎました。また、幼虫の種類から生野菜由来のヒラタアブではないかとの指摘もあります。確かにウジなら体が白いですが、今回の動画で確認できる虫は、体の中に黒い点が見え、少なくともウジではないようです。
どうして確認せずにツイート
この動画の投稿者は、動画の撮影者とは別人のようです。そのため、動画を撮影した人の考え方は不明ですが、投稿者は無添加・自然食品の愛好者のようであり、大手加工食品メーカーのはごろもフーズに否定的な意見を持つ人物のようでした。このような先入観があり、大企業だから不正をしているに違いないという思い込みが義憤に変わり、動画をツイートする行動に出た可能性があります。しかし、冷静に考えると、ツナ缶から出現した虫はウジとは言い難く、やはりツナ缶の下に敷いた生野菜に付着していた可能性が高そうです。
まとめ!義憤に気をつけよう
SNSの普及により、私たちは1分もあれば世界に向けて動画を公開できるようになりました。そのため、義憤に駆られるような動画が出回ると、許せないという感情が高まり、簡単に拡散されがちです。しかし、その動画の背景をよく見ないで拡散すると、事実無根のデマを広め、他者や企業の信頼を失墜させるリスクがあります。今回の動画について、はごろもフーズは大人の対応を示していますが、特に自分が関係していない第三者の動画を拡散する際には、それが真実かどうか?真実であっても拡散して、誰かが傷つく可能性はないか?を考える必要があります。
▼こちらもどうぞ