佐川急便のトラックに、ドライバーの名前と共にいつも安全運転しています等の一言が添えられているのを見た事があるかと思います。元々はドライバーのマナー向上のために始めた取り組みですが、今年の3月には完全に廃止しました。それはどうしてなのでしょうか?
しつこいクレームや個人情報が晒される恐れ
佐川急便では今年の2月から、軽バンやトラック合計26000台後部につけていた名札を試験的に外していましたが、3月には廃止を決定しました。その理由について佐川急便は、路肩での一時停止などに対し通行人からしつこいクレームが来るケースやSNSで個人名が拡散され女性ドライバーが恐怖を感じるなど、従業員に危害が及ぶ前に廃止に踏み切ったという事です。
完成された息苦しい監視社会日本
SNSを通じて、個人情報を晒し正義と称して義憤を晴らす行動が後を立ちません。最近でも自転車で公道を逆走しドライバーに注意されて逆ギレしていたママチャリ女性のドラレコの映像がyoutubeで拡散されて炎上し、ネットの暇人が女性の身元を特定してしまい個人情報が晒される事件がありました。ママチャリの逆走は道交法違反なので女性の態度に問題があるなら警察に持ち込む事であって、ネットに曝すのはやり過ぎです。日本人は巨悪には関心がないのに、重箱の隅を突くような小悪を糾弾するのが大好きで、そこにSNSの普及が加わった結果、自然発生的に一億総監視社会が誕生したと言えるのではないでしょうか?
SNSアップはよく考えよう
日常生活で小さな悪はよく目にしますが、それを面と向かって注意するのではなく、スマホで撮影してネットで拡散し、匿名の大勢で個人情報を晒し叩くというのは、卑怯者以外の何者でもありません。一秒で動画をアップできる世界だからこそ、何をアップして、何をアップしないかを考えるべきでしょう。あなたは義憤から行動を起こし悪気はないかも知れませんがネットの海には他人の粗を探し、叩くのを至上の喜びとするアレな暇人が大勢潜んでいる事を忘れてはいけません。
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