世界の嫌われ者同士は接近する運命なのかも知れません。すでにロシアに対して砲弾やミサイルなどの武器を供給している北朝鮮がプーチン大統領の要請に応じてウクライナ国内のロシアの占領地域に工兵部隊などの兵力を派遣するのではないか?との見方が広まっています。
プーチン大統領より金正恩へ要請
すでに今年6月有事の際の相互軍事支援を規定した「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結したロシアと北朝鮮ですが、関係筋の情報では、昨年の9月、プーチン大統領はロシア極東アムール州のボストーチヌイ宇宙基地で金正恩総書記と会談。その中でプーチン大統領は武器の供与だけでなく、金正恩総書記にウクライナへの派兵を求めたそうです。この時の会議では、金正恩総書記は派兵については追加の議論が必要だとして態度を鮮明にしませんでしたが、今年の6月の会議でもプーチン氏は重ねて北朝鮮軍の派兵を要求したようです。
プーチン大統領は否定
プーチン大統領は北朝鮮へ派兵を要請した事について自国メディアに対し明確に否定しています。しかし、韓国の情報機関・国家情報院は、ロシアと北朝鮮の協力体制の動向を綿密に注視しているとする立場を表明。韓国政府内では、ロシアが一方的に占領しているウクライナ東部に北朝鮮の工兵部隊を投入して復旧作業にあたらせる可能性があるとしています。また、アメリカ国防省のパット・ライダー報道官も6月25日の記者会見で、北朝鮮の派兵の可能性について注視していると述べました。
北朝鮮を外交カードに利用
プーチン大統領が武器供与だけではなく派兵までを北朝鮮に求める背景には、狭まる国際包囲網の中で、同じく孤立する北朝鮮を味方につけ、ロシアは決して孤立しているわけではないとする外交カードに使う狙いのようです。金正恩総書記にしても、ロシアから資源の支援は得たいものの、そのために自国兵に血を流させるような取引は、よほどの見返りがない限りはしないと考えられます。
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