この数ヶ月、東部前線の各地でウクライナ軍に攻勢を仕掛けているロシア軍。最近ではその侵攻ペースも緩やかになっていますが、この頃、ドネツク州の戦略的要衝であるポクロウスクへジリジリと前進している事が分かり、ウクライナや支援国は警戒を強めています。ポクロウスクは、今年の2月にウクライナ軍の撤退で陥落した要衝、アウディーウカの北西に位置しています。
ゼレンスキー大統領もポクロウスクを名指し
7月28日、ゼレンスキー大統領はドネツク州の戦況が極めて厳しい事を認め、さらにこの数週間で一番攻撃が多かったのは、ポクロウスク方面だと指摘しました。ポクロウスク自体は人口6万人ほどの中都市で、すでに多くの住民は街を離れています。ただ、ポクロウスクからは、もう一つの要衝であるコンスタンチノフカへのアクセスが容易で、ウクライナ軍にとって重要拠点です。両都市を結ぶ幹線道路は補給やドニプロへの負傷者の搬送に使われていて、ここが落ちると前線への補給や負傷者の後方輸送が難しくなります。
新兵や欧州の武器が到着する前に
ロシアは、ウクライナ軍の新兵の訓練が終わり、欧米からの兵器の供給が本格化する前に、ウクライナ北東部のルハンスク州とドネツク州の全域を掌握する事を目指しており、それは、プーチン大統領の目標でもあります。アメリカ戦争研究所の分析でもロシア軍が、この地域で重要な戦術的前進を遂げているとしており、状況は予断を許しません。
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