8月22日、イタリア海軍の空母「カブール」が初めて日本を訪れ、神奈川県の海上自衛隊横須賀基地に寄港しました。今年は、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、等、欧州諸国の軍艦や戦闘機が相次いで日本に訪れていますが、皆さんはその理由をご存知でしょうか?
インド太平洋の平和的安定を求めて
イタリア軍のホームグラウンドは地中海であり、日本が面している太平洋とは一見、無関係に見えます。しかし、21世紀の世界では物流が地球規模で展開していて、特に中東の石油はインド太平洋を通過して世界中に供給されている事情があります。そのインド太平洋地域で現在、問題を起こしているのが太平洋進出を目論む中国海軍です。中国は表面的には資本主義を採用しつつも、国内は一党独裁の社会主義であり、国内の外国企業に対しては、どんな法律に違反したかも明かさないまま、営業停止や国外退去を命じる等、法治主義が不透明な国です。またウクライナを侵略中のロシアプーチン政権とも親和性が高いなど、インド太平洋地域を中国海軍が握った場合、世界のエネルギーや食糧問題について、重大な影響を及ぼすリスクがあるのです。
横須賀基地で歓迎行事
横須賀基地では、空母カブール寄港を記念し歓迎行事が行われ、海上自衛隊の沢田俊彦第1護衛隊群司令は、イタリア海軍がインド太平洋地域に関与を強めた事で、地域の平和と安定、さらには国際秩序の維持に直接繋がると述べました。これに対し、イタリア海軍、ジャンカルロ・チャッピーナ艦隊航空部隊司令官も日本とイタリアは、自由と民主主義という共通の価値観に基づいていると述べ、海上自衛隊との共同訓練が楽しみだと述べています。
カブールとはどんな空母?
イタリア海軍の空母カブールは、全長244メートルで12機のヘリコプターと8機の攻撃機を搭載できる能力を持っています。今年の6月にイタリアを出港後、オーストラリアでの大規模演習に参加していました。今回の横須賀寄港は、イタリア海軍の空母が日本を訪れる史上初めての機会です。
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