キングダムに登場し、政の政治にことごとく関与して秦国の政権を握り続けてきた呂不韋(りょふい)。
彼は元々衛(えい)と言われる弱小国を出身地としていた商人ですが、
趙で人質となっていた秦の公族・異人(いじん)に肩入れしたことがきっかけで、
彼の運命は大きく変わっていくことになります。
今回は呂不韋が秦の宰相として君臨するまでの経緯をご紹介したいと思います。
呂不韋の策略
呂不韋は趙で人質となっていた秦の公族である異人を見つけると、
彼を使ってのし上がろうと考えて異人に接触。
彼は異人に秦の王に就任させるためのプロセスとしていくつかの段階に分けて説明します。
まずその1:秦の太子である安国君の奥さんである華陽公主(かようこうしゅ)と接触するために、
彼女の姉と信頼関係を構築すること。
その2:華陽公主の姉と信頼関係を構築し、妹である華陽公主に安国君の後継者として異人を
推挙する。
その3華陽公主が安国君に異人を後継者にするように推挙。
この三つのプロセスを踏んでいくことで異人が王になれると呂不韋は異人に断言し、
彼に大金を渡しておとなしくしているようにと釘を刺してから秦へ向かいます。
ミッションその1:華陽公主の姉と接触せよ!!
呂不韋は秦の首都・咸陽(かんよう)に到着すると華陽公主の姉と接触するために、
あらゆるつてを使います。
これらのつてを使って華陽公主の姉に接触するために数ヶ月を要しましたが、
ついに華陽公主の姉と接触することができる日がやってきます。
呂不韋は豪華な宝物をたくさん持って華陽公主の姉と会見。
豪華な宝物を贈り、言葉巧みに信頼を得るために頑張り、
幾度も彼女と接触することで呂不韋は彼女の信頼を得たと確信を得ることになります。
こうして呂不韋ミッションその1完遂されることになります。
ミッションその2:華陽公主に安国君の後継者として異人を推挙せよ!!
呂不韋はいつもの通り華陽公主の姉とあっていると彼女から
「一度私の姉とあってくださらないかしら」と誘われます。
呂不韋は心の中で大喜びしておりましたが、
表情に出すことなく「承知致しました」と言ってその場をあとにします。
後日彼は大量の宝物をもって華陽公主の元を訪ね豪華な贈り物を彼女へ献上します。
そして彼は彼女へ異人の良い所や趙での暮らしぶりなどを散々教えた後
「華陽公主様を実の母親として思っており、早く会いたいと仰っておりました」と述べます。
華陽公主は嬉しさのあまり涙ぐんでしまいます。
こうして初回の会見は終わりを告げることになります。
その後彼は華陽公主の姉に「異人は華陽公主様のことを実の母親のように思っており、
いつも心配なさっております。
これほど彼女を心配なさっているのは他の公族の中にはいないのではないのでしょうか。
もし異人様が安国君の後継者として指名されれば、
華陽公主様の安心することができると思うのですが、
この話を公主様に伝えていただくことはできないでしょうか」と述べます。
すると華陽公主の姉は「分かりました。
いつもお世話になっているあなた様のお願いを聞いてあげましょう。」と快諾。
そして華陽公主の姉は華陽公主へ呂不韋の言葉を伝えるとともに異人を安国君の後継者へ
推挙した方がいいと進めます。
こうして呂不韋ミッションその2も見事完了することになります。
その後呂不韋ミッションの最終段階であるその3「華陽公主が安国君に異人を後継者として
推挙」する点ですが、
姉からのアドバイスをもらってすぐに彼女は安国君へ
「旦那様。後継者には私と旦那様を慕ってくれている異人にしてはどうでしょうか」と推挙。
すると安国君はすんなりと華陽公主の意見を受け入れて、趙にいる異人に太子の証明として
割符を制作することになります。
こうして華陽公主と安国君は呂不韋へ太子の割符と異人に大量の贈り物を渡して、
趙の首都である邯鄲へ赴かせることになります。
呂不韋はミッションを全て完遂したことで、
異人の補佐役に任命され秦の国へ入り込むことに成功するのです。
戦国史ライター黒田レンの独り言
呂不韋は自らが立てた計画に沿って行動し、見事成功することになります。
異人や華陽公主、安国君は呂不韋が考えていたことを見抜くことができずに彼を
秦の国へ向かい入れることになるのです。
一介の商人でこれほどの機略を持った人物は戦国時代に存在しなかったでしょう。
参考文献 講談社 覇者への道 尾崎秀樹著など
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