あなたが三国志の時代に転生して部隊長になったとしましょう。たまたま敵の伝令を捕らえて、伝令が持っていた木簡を押収します。「へっへっへ、これは褒美に預かれるかも知れん」と喜んだのも束の間。木簡はサイズがバラバラなものの、どれも何も書いていませんでした。「なんだよガセだったのか」あなたは落胆して木簡をゴミ箱に放り込んでしまいますが、実は、何も書いていない木簡には重要な意味があったのです。
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木簡に何も書いていない理由
実は、何も書いていない木簡は陰符(いんふ)と言い、文字ではなく木簡の長さで情報を知らせるものでした。例えば木簡の長さが一尺(漢の時代は22センチ)だと敵に大勝利したの意味、逆に3寸(6.6センチ)だと戦況は不利で兵を失った等です。
暗号解読をさせない仕組み
陰符は定期的に長さの意味を変えているので、いつも同じとは限りませんが、押収した木簡を素直に司令官に渡していれば暗号解読のヒントになったかも知れません。こうしてあなたは、出世のチャンスを棒に振る事になりました。
参考:三国志軍事ガイド/ 篠田 耕一 / 新紀元社 (1993/11/1)
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