12月18日の放送でグランドフィナーレを迎える鎌倉殿の13人。通常の大河ドラマに比較して登場人物が多く、しかも毎回のように登場人物が殺害されるので「死ぬどんどん」と言われた殺伐とした鎌倉殿ですが、その時代考証を担当した坂井孝一さんが登場させたかったけど、登場しなかったドラマの黒幕がいたってご存知でしょうか?
本当は鎌倉幕府の重鎮だった大庭景義
時代考証の坂井氏が登場させたかった人物は大庭景義でした。景義はドラマの序盤に登場し、頼朝を石橋山の戦いで破った大庭景親の兄です。平家に味方して悲劇の最後を迎えた景親に対し、兄の景義は頼朝に味方し鎌倉幕府の草創期に重臣として活躍しています。特に奥州藤原氏討伐で、後白河法皇が討伐の院宣を頼朝に出し渋った時には、「陣中では朝廷の意向より将軍の命令が優先するので宣旨は不要」と断言し奥州藤原氏討伐に決定的な役割を果たしました。
弟と名前が似ていて紛らわしいのでカット
大庭景義は、曾我の仇討ちでも岡崎義実と共に頼朝暗殺のクーデター計画の首謀者とされていて、ドラマに登場していれば確実に人気が出たキャラですが、名前が弟と似ていて紛らわしいという理由でカットされたそうです。そのためクーデターの罪は岡崎義実1人に背負わせる事になったとか…ただ、名前が似ていると言い出すと通字がある鎌倉時代の人物の名前は大体似ているような気がしますが、何にしてもドラマである以上、分かりやすさは大事ですね。
女性の名前はお手上げ、実衣の由来は?
時代考証の坂井氏を困らせたのは、鎌倉殿に登場する女性の名前でした。当時の女性の名前はほとんど記録がなく、北条政子でさえ従三位に任じる時の文書に記載する便宜上、朝廷が、時政の娘だからという理由で政を使い当時、高貴な女性に用いられた子をつけて政子としただけだそうです。政子は通称でも名があるだけマシで、それ以外の女性となると名前の記載がなくお手上げだそうで、鎌倉殿の主要人物で宮澤エマさんが演じる実衣は、ムーミンに登場する皮肉屋の小さな女の子ミイから来ているそうですよ。
▼こちらもどうぞ!
「鎌倉殿」義時最後はW殺害?アガサ・クリスティーのミステリにヒント