昔は、夏場に限らず、どのチャンネルでも心霊番組をよく放送していたものでした。怖いものが苦手にもかかわらず、怖いもの見たさに負けて見てしまい、トイレにいけなくなった経験がある人も多いのではないでしょうか?しかし、最近は、そんな心霊番組、あまり見かけなくなりましたよね?それはどうしてなのでしょう?
そもそも心霊写真が撮れなくなった
一番大きな理由は心霊写真が撮れなくなったからです。昔のカメラは性能が低く、光の加減や角度で心霊写真っぽい写真がよく撮れたのですが、カメラの性能が向上すると、そういう事が起きなくなりました。また、現在はデジカメが主なので、変な写真が撮れてもすぐに消去してしまうのも心霊写真が出なくなった理由のようです。
科学技術の進歩で写真のリアリティが消えた
現在は科学技術が発達し、写真はおろか動画でもパソコンやスマホアプリを駆使する事で簡単に心霊写真風の画像が撮影出来てしまいます。こうなってしまうといくら、番組で心霊写真を煽っても「これ、つくりものでしょ?」と視聴者が冷めてしまい、視聴率が取れなくなってしまったのです。
東日本大震災の影響
心霊番組が流行らなくなった理由として、未曽有の死者を出した東日本大震災の影響を挙げる人もいます。心霊写真の背景には、殺されたり、悲惨な死に方をした被害者がいて、それらが心霊写真にリアリティを与えるのですが、そういった死者を面白半分で取り上げるのは不謹慎であるという風潮が東日本大震災の後に特に強まり、番組の制作が難しくなったのだそうです。
情報漏洩の問題
心霊番組では、恐怖感を増すためのリアリティが必用です。そのため、心霊現象が起きた場所や事件・事故の背景を事細かに描写する必要がありますが、インターネットが発達した現在では、それらの情報により心霊スポットが特定されたり、事件が特定され、事件現場に野次馬が詰めかけたり、被害者の遺族の情報が漏洩して、二次被害を引き起こすなどの問題が生じたのです。このため番組サイドもリスクが高い心霊番組の制作には二の足を踏んでいる事が多いのです。
炎上する危険
昔の心霊番組には、これは明らかにやらせだよなとか、見間違いだよなといういい加減なインチキ写真も含まれていました。しかし、視聴者も怖がりたくて見ている人が大半なので、そんなインチキ、やらせにもある程度寛容だったのです。しかし、SNSが発展し、シェアの文化であっという間に情報が広まる現在では、いい加減な心霊写真や心霊現象はすぐに見破られて「やらせ」のレッテルを貼られ、テレビ局に抗議が殺到します。だからと言って、毎回、毎回、本物の心霊現象をお届けするというのも番組の進行スケジュールから考えて無理な話なのです。
炎上は、謝罪だけで済まず、最悪スポンサーが下りて番組が終わる最悪の事態も招きかねないので、心霊番組は中々作られなくなりました。
よみがえる心霊番組
ただ、このまま心霊番組が消えるか?というとそういう事はないようです。テレビ局では、本当にあった怖い話として、恐怖体験を再現ドラマにして放送するなど一工夫くわえたり、全国区ではないCSなどの有料放送では地上波ではできない心霊番組を放送したり、心霊系youtuberなどもコンプライアンスに縛られない立場を活かして、過激な心霊番組を制作して人気を得ているのです。
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