お酒は毒?いやいや適量を守れば百薬の長?人類にとってもっとも古い付き合いを持つ飲み物、酒をめぐる評価は尽きる事がありません。では、医学的に見ると酒は毒なのでしょうか?それとも薬なのでしょうか?
参考:酒は「毒」か「薬」か? 医師が最終的に出した答えとは…
酒好きにとっての“永遠の問い”についに決着!
酒好き医師が教える忘年会対策(第1回)
医学的なエビデンスで見ると毒
医学的な見地から見ると、お酒は適量とされる日本酒なら一日一合、ビールなら忠瓶1本を守ったとしても、体には毒なのだそうです。これは、全国12地域、14万人を対象にした多目的コホート研究でも明白で「時々飲酒をしている人(週に1回未満)と比較して「1日あたり日本酒換算で2合」あるいは3合以上飲む人のガンの発症リスクは、それぞれ1.4倍から1.6倍になるそうです。
適量の飲酒が体に良いというエビデンスもあるが…
一方で、お酒は適量を飲んでいれば体によいとするJカーブ効果もよく引き合いに出されます。しかし、それらの研究は細胞実験や少人数での研究結果が多く、またエビデンス上も「健康に良い可能性はある」という段階。多目的コホート研究に比較するとエビデンスが弱いのが実情だとか…
また2018年8月には医学雑誌「 Lancet」において195の地域で23のリスクを検証した結果、飲酒量はゼロが最善という論文が発表されたのです。この論文は1990年より2016年にかけて195の国と地域におけるアルコールの消費量とアルコールに起因する死亡などを分析したものでした。こうしてみると、酒は少量なら健康に良いという話も医学的には否定される事なのかも知れません。
飲酒で心筋梗塞のリスクは下がるが他は上がる
もっとも、飲酒に全くメリットがないという事はなく、適量の飲酒で虚血性心疾患(心筋梗塞)等のリスクは低下するそうですが、それ以外の乳がんや結核などのリスクは上がるので相殺されてメリットがゼロになるのだそうです。
人生は0か100ではない!
医学的な見地から見ると、確かに飲酒はしないほうが人間は長生きするようです。しかし、飲酒で得られるのは、リスクだけではありません。お酒の席で仲間との親睦を深めたり、男女が意気投合して生涯の伴侶を得るかも知れません。
また、飲みを通じて新しいビジネスモデルが誕生したりする事もあるでしょう。そもそも人間は長生きするために生きているのではなく、人生を楽しむ為に生きているのです。それを考えると適量を守ればの条件付きですが、多少死亡リスクが上昇しても、お酒は飲む価値があると思いますが、皆さんはいかがですか?