21世紀の社会で成功するカギとされるイノベーションは、多様化した社会の中で多くの人々が必要とするサービスを見つけ出し、ビジネスモデルを創造するイノベーターにより成し遂げられると言われています。では、そんなイノベーターに特徴はあるのでしょうか?今回は「イノベーションへの解」を著わしたクレイトン・クリステンセンが世界75か国以上、500名のイノベーターを調査して見出した共通の要素5つを解説します。
世界中のイノベーターに共通する5つの要素
クリステンセンが調査の中で見出した世界中のイノベーターに共通する要素は下記の5つでした。①関連づける力②質問力③観察力④ネットワーク力⑤実験力。そして、この5つの要素を組み合わせる事で、世界中の人々が求めているサービスを見つける事が出来る「発信力」が生み出されるというのです。これだけでも分かる要素もありますが、一見して分からない要素もあるので、下記で説明しましょう。
関連付ける力とは?
関連付ける力については、藤子F不二雄が描いた名作「ドラえもん」を例に取ると分かりやすいかと思います。当初、ドラえもんのアイデアに悩んでいた藤子F氏、気分転換に散歩に出た時に、ネコを見かけます。その後帰宅した彼は、子どもの玩具である起き上がり小法師につまづきました。
ここで藤子F氏は閃きます。散歩の時に見かけたネコと起き上がり小法師が重なって、ドラえもんのフォルムがハッキリ見えたのだそうです。そこに以前から考えていた未来から来たロボットが秘密の道具でダメな小学生を助けるという構想を組み合わせ、ドラえもんが誕生しました。一見、関係ない要素を組み合わせる事で、誰もが考えても見なかった新しいコンテンツを生み出すのが関連付ける力なのです。
質問力とは?
質問力とは、相手に不明点や疑問点などを問いかける能力を意味します。ビジネスシーンでは、適切な提案や正しい判断、業務遂行の為に、相手の状況や何を意図しているのか?を正確に理解しないといけません。質問がトンチンカンだと相手が本当に必要とする要望を聴きだす事が出来なくなり、問題解決に失敗してしまうでしょう。
観察力とは?
観察力とは、身の回りの状況や事象を注意深く観察して、様々な知見や気付きを得る事が出来る能力です。最近んTwitterで一瞬、トレンドに上がっていましたが日本銀行が破綻したと聴いてあなたは何を感じるでしょうか?大変だとすぐにネット検索を開始するでしょうか?それとも、待てよ、なんで日銀が破綻するんだ?お金を刷る事が出来るのに?と違和感を持つでしょうか?
ちょっと考えれば、日銀が普通の銀行と違い、経営破綻する事などない事が分かります。もし日銀が経営破綻するなら、日銀に預金を持つ全国の銀行がそれより早く破綻するでしょう。これも日銀の機能をちゃんと把握し観察していればデマに惑わなくて済むのです。
ネットワーク力とは?
ネットワーク力とは、職場以外でどれだけ幅広く人脈や人間関係の交流があるのか、その交流の幅広さを示す力です。広いネットワークがあれば、考えたビジネスアイデアを実行する為に必要な人、モノ、カネが集まりやすくなります。
関連記事:歴史からは学べない!経営戦略論をひっくり返したダンカン・ワッツ
実験力とは?
実験力とは新しく挑戦し、既製品を分解し試作品を実験してデータを取るという一連の作業を指します。人間は年を取る程に新しい挑戦に億劫になりますが、優れたイノベーターは絶えず挑戦し、無数の失敗を繰り返して正解に辿り着くものです。
なくても諦める事はない
5つの要素を見て、自分に足りないものがあっても諦める必要はありません。クレイトン・クリステンセンは、イノベーション能力は自覚して鍛えれば、誰にでも備わる能力だと断言しています。21世紀の成功者になるために、あなたもイノベーターの5つの要素を磨いてみませんか?
▼こちらもどうぞ