日本では熱中症の死者よりも凍死が2倍も多い


 

 

皆さんは凍死についてどんなイメージをお持ちでしょうか?大半の人は、寒い地域で野外に居る時に起こると思い込んでいませんか?しかし、それは本当は大間違いで日本では1年間に1000人以上が低体温症で凍死していて、その数は熱中症による死者の1.5倍から2倍に昇るのです。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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凍死は室内でも起こり得る

禰衡を叱る孔融

 

 

そもそも凍死が野外で起こるとは限りません。調査によれば低体温症になって病院に搬送される患者の70%は屋内で低体温症を発症しているからです。また、被害が多い世代は60歳以上の高齢者で、室温11度以下外気温5度以下の早朝に最も犠牲者が多いとされています。つまり、室内だから凍死しないなんてことはないのです。

 

 

WHOの基準を下回る寒い日本の家屋

凍える忍者

 

 

WHO(世界保健機関)は住宅で、住人が健康を維持できる室温を18℃以上として推奨しています。この基準で考えると、冬場には室温11度以下が存在する日本家屋は寒すぎるのです。

 

別室暖房が日本家屋を寒くしている

曹操 耳で聞いて覚える三国志

 

 

日本は夏は蒸し暑く冬は寒い気候なので、家屋は意図的に隙間を作って通気をよくし、夏場を少しでも快適に過ごせるように進化してきました。そして、冬は厚着をして寒さを我慢しようと考えてきたわけですが、それこそが日本国内の凍死者を1000人以上にしていると言えるでしょう。また、日本では暖房も部分空調が多く、海外先進国のような全室暖房はあまり普及していません。高齢者が朝起きてから暖房を入れようと考えて寝ている間に低体温症にかかり、動けないままに亡くなってしまう事が、起こりやすくなっているのです。

 

 

寒さは厚着だけで解決できない!

張昭

 

 

最近は熱中症対策の広報は増えてきましたが、低体温症についての広報はあまり盛んではありません。特に高齢者は「これぐらいの寒さはなんでもない」とギリギリまで暖房をつけない我慢比べが好きな方も多いようです。しかし、高齢者の方の場合はご自身でも気づかない間に暑さだけではなく寒さを感知する機能も衰えていて、気が付いた時には自分で助けを呼ぶ事も出来ない重篤な低体温症になってしまう場合もあります。たかが寒さと侮らず、充分な防寒対策をしましょう。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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