宇宙には私たちが住む銀河系以外にも無数の星雲があり、地球と似たような生命が誕生する要素を備えている惑星もやはり無数に存在しています。ある日、遠い宇宙から地球外生命体がやってくるかも知れない。そんなロマンを搔き立てられる人もいるでしょう。しかし、合理的に考えた場合、私たちは宇宙人と出会わないほうがいいのかも知れません。
この記事の目次
広い宇宙に私達以外の生命体がいない理由
地球が誕生してから46億年、この宇宙が誕生してからは137億年の歳月が経過しています。その間には、無数の星で生命体が生まれ、その一部は高度な知的生命体まで進化し、やがて母星から飛び出したとしても不思議はないでしょう。
それなのに、どうして人工衛星を飛ばせるまでの科学技術を持った人類の周辺には似たような知的生命体がいた痕跡が見当たらないのでしょうか?たまたま、銀河系の近くで知的生命体が誕生する事が無かった?それも仮説としてはあります。しかし、もしかすると知的生命体は誕生していたけれど、相互に先制攻撃を繰り返し星ごと全滅したという可能性も考えられるのです。
種の保存が生命体を戦争に向かわせる
知的生命体は、相互に敵の惑星を攻撃して滅亡したと言うと、そんなバカなと反論する方もいるでしょう。知的生命体の中には友好的な種もいるはずで、全てが好戦的ではないはずだと…しかし、生命とは例外なく種を保存し、子孫を残し繁栄するために生きているものです。では種を保存するとは何か?自分達以外の種を征服し生態系の頂点に立つ事にほかなりません。
もちろん、私達人類にも人類以外の生物を愛する気持ちはあります。でもそれは、我々の科学力が圧倒的で他の生物に優越しているからです。例えばネコが進化して人間並みの知能を持つようになったら、人類はネコと平和共存できるでしょうか?一時は可能かも知れません。しかし、同レベルの知能を持つが故に、人類もネコも種の保存の本能を脅かされ、どちらかがどちらかを徹底的に支配できるようになるまで戦い続ける事になるでしょう。
これと同じ事が、宇宙人と人類の間に起きないといえるでしょうか?私たちは邪悪だからではなく種の保存と繁栄という本能のために、自分達の種と並び立つ存在を許せないのです。
相互の絶望的な距離がコミュニケーションを断念させる
しかし、こう考える人もいるかも知れません。知的生命体なら言語を通してコミュニケーションを図る事が可能である。お互いが平和共存を願っている事を伝える事が出来れば、戦争と言う最悪の事態を回避できるのではないか?残念ながらこれも極めて難しいでしょう。なぜならこの世界において光より速い物質は存在しないからです。具体的に言うと、地球から100光年という比較的近い場所に知的生命体が住む惑星があったとしましょう。幸運にも地球からのメッセージが異星人に届いたとしても、異星人から返事が来るのは、速くても100年先なのです。この間、私達地球人も、異星人も深い疑心暗鬼に捕らわれる事になります。
それは、相手を信じてもいいのか?という事です。選択は2つに別れます。相手が友好的な宇宙人である事を信じ、コールドスリープ技術を使い使節団を載せた宇宙船を地球に送り込むか?あるいは相手が侵略を意図しているとみて惑星を破壊できるミサイルを撃ち込むかです。ミサイルではなく軍隊を派遣する手段もありそうですが、100年の間に相手の科学力が、こちらを凌駕する危険があります。占領するよりも惑星を破壊する方が勝機は高いでしょう。
リスクヘッジの末、知的生命体は戦争を選ぶ
ここからはリスクヘッジになります。仮に相手が友好的な宇宙人だった場合、双方に使節団の往来が継続されるかも知れません。これはこれでメリットがあるでしょう。しかし、もし敵対的な宇宙人だった場合、使節団の宇宙船とすれ違いに惑星を破壊するミサイルが飛ぶ事になります。ミサイルが命中すれば惑星は爆発し文明は崩壊します。
ならば、選択は1つしかありません。自分の文明を守る為に、相手がミサイルを飛ばす前にミサイルを撃ち込んで相手の惑星を破壊するのです。たしかにそれにより、友好的な宇宙人を失うかも知れません。それでも自分達の惑星を失うのに比べると、傷ははるかに浅いのです。
宇宙人を探さずひっそり暮らすのが賢明
このように光よりも速い物質が発見されない限り、絶望的な距離により知的生命体同士のコミュニケーションは成立せず、敵の惑星を先制攻撃で爆破し、種を保存する事が最善と決定してしまうのです。もしかすると、地球の周辺にも知的生命体はいるのかも知れませんが、地球人に先制攻撃される事を恐れて姿を隠しているかも知れませんよ。
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