プリゴジンは、強面の60代男性であり、自らバフムトの前線に立ち、プーチン大統領や国防大臣を厳しく批判することでも知られています。ウクライナ戦争で突如として有名になった彼ですが、一体どのような経歴を持つ人物なのでしょうか?
1961年レニングラードで産まれる
エフゲニー・プリゴジンは1961年にレニングラードで生まれました。彼は陸上競技の全寮制学校に通い、クロスカントリーに打ち込みました。1977年に学校を卒業しましたが、その後、1979年に窃盗罪で有罪判決を受け、執行猶予つきとなりました。さらに、1981年には強盗、詐欺、未成年者を巻き込んだ犯罪で12年の懲役を言い渡され、9年間服役しました。
ペレストロイカの波に乗り事業で成功
1990年、プリゴジンと彼の義父はホットドッグの販売ネットワークを立ち上げます。ペレストロイカ(ソビエト連邦の経済改革)の波にのり、プリゴジンは実業家として成功を収めました。その後、プリゴジンは寄宿学校時代の同級生と共同出資でサンクトペテルブルグで最初の食料品チェーン「コントラスト」を開業。さらにサンクトペテルブルグで最初のカジノを建てます。
水上レストランが大ヒット
また、プリゴジンは1995年にレストラン事業の収益が低下した際、共同出資者と40万ドルを投資して、ヴャトカ川にある錆びたボートを改修しました。1997年プリゴジンは「ニューアイランド」と呼ばれる水上レストランを開業しサンクトペテルブルグで最も人気のあるレストランの一つとなる大成功を収めます。
独裁者プーチン大統領の胃袋を掴む
2001年、ウラジーミル・プーチン大統領とフランスのジャック・シラク大統領が「ニューアイランド」で食事をし、プリゴジン自身が料理を提供、そのような経緯から、プリゴジンはプーチン大統領の信頼を得ることとなりました。彼は共同出資者との関係を解消し、独自のレストランを設立。プーチン大統領の権力を背景にプリゴジンは刑事告発を免れ、違法行為を繰り返しながら成長しオリガルヒ(新興財閥)の一員として台頭していきました。
民間軍事請負会社ワグネル・グループを創設
プリゴジンはレストラン事業を通じて、2012年にロシア軍へ12億ドル分の食糧供給契約を締結。そして、2014年にはウクライナのドンバス地域に戦闘員を派遣するために、民間軍事請負業者であるワグネル・グループを設立しました。彼は中南米やアフリカの諸国にも傭兵を派遣するなど、プーチン大統領と歩調を合わせさまざまな活動に関与しました。
まとめ
このように、プリゴジン氏は食品店経営からスタートし、水上レストランでプーチン大統領の支持を得た異色の経歴を持つ人物です。彼は現在、ロシアで大きな影響力を持つ実業家であり、傭兵組織の創設者としても知られています。
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