アメリカウォールストリート・ジャーナル紙は7月13日ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏が6月下旬にロシア国内で起こした反乱から数時間で治安部隊が反乱拡大阻止の為にロシア軍高官10人以上を拘束したと報じました。一時は単独犯のアホ扱いだったプリゴジン氏ですが、ロシア軍の反プーチン派の支援を当てにして反乱を起こした可能性があります。
一時的な拘束を含めると13人が拘束
同紙の情報では、一時的な拘束を含めると13人が身柄を拘束され、15人が職務停止や解任となったようです。その中にはウクライナ侵略のロシア軍副司令官セルゲイ・スロビキン上級大将や軍の情報機関参謀本部情報局副局長まで含まれます。また、スロビキン上級大将については連絡が取れない状態であり、プーチン政権による粛清が進んでいる可能性もありそうです。
ワグネル武装解除も不満は燻る
ロシア国防省は7月12日、ワグネルから戦闘車両をはじめとする2000以上の兵器や弾薬2500トンの引き渡しを受け武装解除を完了させました。しかし、ロシア軍内部にはセルゲイ・ショイグ国防相やワレリー・ゲラシモフ参謀総長への不満が噴出しています。また、12日、ロシアメディアは、ウクライナ南部ザボリージャ州のロシア軍占領地域で防衛作戦を指揮する少将が砲弾不足などで部隊の犠牲者が増えたとして窮状を訴えた結果、解任された事を明らかにしています。
プリゴジンだけでは終わらないかも
正当な要求をしただけで解任されるようでは、もはや前線にはプーチン大統領に都合の良い嘘しかいわない指揮官しか残らないでしょう。この状況が続けば、無断で占領地を離脱するか、プリゴジン氏のように武装蜂起するロシア正規軍が出てくる可能性も否定できません。
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