ロシアが黒海沿岸のウクライナの港を攻撃し輸出に向けられていたウクライナ産の穀物を焼却したニュースは記憶に新しい所ですが、さらにプーチン大統領が勝負に出ました。サンクトペテルブルグでアフリカ諸国の代表を集めた席上で、ロシアは食糧危機にあるアフリカ諸国に穀物を無償提供する用意があるとぶち上げたのです。
アフリカ諸国にアメをチラつかせるプーチン
プーチン大統領はロシアは無償援助と言う形でもウクライナ産穀物を代替できると述べ、今後、3~4か月の間にマリやソマリアなどアフリカの6国に対してロシア産の農産物を無償で提供する用意があると強調。プーチン大統領としてはウクライナ侵略を受けて欧米との対立が深まる中アフリカ諸国の取り込みを図る狙いです。
ウクライナはプロパガンダだと批判
この動きに対し、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は「誰がアフリカの真の支配者か示すためのプロパガンダ」と批判。同時にロシアがウクライナ産農産物輸出をめぐる合意の履行を停止した事に触れ、ロシアの関与なしにウクライナ産の農産物をアフリカに輸出する必要性を訴えました。
放火魔が家の再建を申し出るようなもの
善意めかしたプーチン大統領ですが、そもそもロシア軍がウクライナの港湾を攻撃しなければ、アフリカ諸国が穀物に困る事はありませんでした。それは、あたかも人の家に火をつけて燃やした放火魔が、家の再建には援助を惜しまないと申し出るようなものでしょう。しかし、アフリカ諸国にも背に腹は変えられない事情もあり、ロシア抜きでのウクライナ穀物の輸出を考えるべき時に来ているかも知れません。
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