ウクライナ軍参謀本部のアンドリー・コバロフ報道官は7月25日、ロシア軍がアンドリーウカから撤退していると主張しました。ウクライナ戦争最大の激戦地、バフムトを巡り、戦いは大きな山場を迎えようとしています。
交戦が続く
ウクライナ軍自動車化旅団は6月下旬、ドネツク州でロシアの自動車化狙撃旅団と交戦、ロシア旅団を重要な防御陣地ドネツドンバス運河を越えて東へ後退させました。さらにウクライナの第3旅団と第28旅団は、数キロ先のアンドリーウカに向かい進撃してロシア軍を攻撃、これによりロシア軍が撤退した模様です。
バフムトを包囲する動きを見せるウクライナ軍
ウクライナ軍第57自動車化旅団は、北側からバフムト市内に入る幹線道路を目指しバフムトの反対側を前進。バフムトのロシア軍に通じる補給路を次々に立ち切っていき現在、バフムトのロシア軍は半包囲状態にあるようです。グーグルマップで確認してみると、バフムトからは7本の幹線道路が伸びていて、今回のウクライナの作戦は幹線道路を全て封鎖してバフムトのロシア軍の補給を途絶。ロシア軍を降伏させるか、わざと退路を開いて撤退させるかの意図があると考えられます。
ロシアはバフムトを死守する
バフムトはウクライナ侵略で最大の激戦地となり、ロシアやウクライナの将兵数千人が戦死した場所です。それだけにロシアとしては、なんとしてもバフムトを死守し、自分たちはまだ戦争に勝てるとPRしたい所でしょう。一方でウクライナにとってバフムトは多大な犠牲を払って失った屈辱の土地であり、なんとしても奪還してロシアの侵略は全て失敗したと世界に印象付けるには絶好の場所なのです。
補給を断たれればロシア軍はバフムトを放棄する
しかし、このままウクライナ軍の幹線道路の封鎖が続き、完全に補給が遮断されればバフムトのロシア軍は必ず退却するでしょう。そのままバフムトに踏みとどまり、戦えずに大量の投降者が出るのはロシア軍の威信に懸けても何としても阻止するだろうからです。今後のバフムトの動きは、ウクライナ戦争が停戦か終戦に向かう、大きな一歩になると考えられます。
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