プリゴジン氏のロシア帰還の背後には何がある? [ワグネル再登板がもたらす影響とは]

2023年8月19日


東京スカイツリー、kawausoさん

 

2023年6月下旬、プリゴジンの乱が勃発し、国際社会を驚かせました。しかしわずか1日でプーチン大統領とプリゴジン氏の合意によって内乱は収束し、ワグネルとプリゴジン氏はベラルーシへ避難しました。しかしこの2ヶ月後、ワグネルが大挙してロシア南部に戻ってきているようです。背景には、どのような事情があるのでしょうか?

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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ロシア正規軍の限界とプーチン大統領の選択

世界史02 プーチン風大統領

 

ロシア大統領プーチンがベラルーシに避難させたワグネルを再び呼び戻した背景には、深刻な兵力不足とロシア正規軍の士気低下が影響していると考えられます。ウクライナ軍は南部ザボリージャ州で海兵隊主導の反転攻勢を継続しています。また、ウクライナ軍は陸海空の各方面でドローンを駆使しモスクワを繰り返し攻撃、クリミア半島で橋を爆破しロシア軍の補給線を妨害しています。これらの情勢を踏まえ、プーチン大統領はロシア正規軍に限界を感じ、再び「狂犬」ワグネルを選択したとみられます。

 

プリゴジン氏の復権とウクライナの抑制

世界史05b ロシアの国旗b

 

ワグネルの復帰によって、プリゴジン氏が再び影響力を行使する可能性があります。ウクライナ軍の反転攻勢がワグネルによって阻止された場合、プリゴジン氏の名声は高まり、プーチン大統領にとって再び脅威となる可能性があります。

 

政治的な駆け引きとプリゴジン氏

世界史06b ベラルーシの国旗b

 

前回の反乱で、プリゴジン氏に近しいとされるロシア軍幹部が処分され、プリゴジン氏とロシア軍幹部の関係が明るみに出ました。また、ワグネルがベラルーシに移転したことで、プリゴジン氏とベラルーシ大統領ルカシェンコとの間に何らかの連携が生まれた可能性も考えられます。ルカシェンコ大統領はロシアとの同盟関係を装いつつも、プーチン大統領の影響力を制限したい意向があり、プリゴジン氏と手を組むことで自身の地位を確立しようとしている可能性もあります。

 

プーチン政権の未来展望

 

プリゴジン氏を呼び戻すという選択は、ロシア軍がプーチン大統領の指導に従わなくなった可能性を示唆するのでしょうか?プーチン大統領が「毒を以て毒を制する」という手法でプリゴジン氏を復帰させたとしても、結局、飼い犬に再び手を噛まれることになるかもしれません。ロシア政府の将来には不確定要素が多く、その行く末が注目されています。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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