ウクライナ軍は6月から繰り広げている大規模な反転攻勢において、新たな展開を見せました。最も力強い部隊とされるウクライナ空中機動軍(通称:空挺団)がサボリージャ集落ロボティネ周辺へ投入されたとの情報が広がっています。これは、ウクライナ軍がマリウポリやメリトポリの奪還を目指し、クリミア半島とロシア軍の連結を断つ勝負に出た決断と言えるでしょう。
ウクライナ空挺団とは?
ウクライナ空中機動軍は、主にドイツ製のマルダー歩兵戦車、アメリカ製のストライカー装甲車、英国製のチャレンジャー2戦車などを備えた約2000人の部隊で、第82空中強襲旅団として活動しています。この部隊は、第46空中強襲旅団と並び、ウクライナ軍の中でも最も優れた戦力を持つ部隊の一つとされ、反転攻勢最後の切り札として待機されていました。
投入のタイミングは選ばれたもの
すでに、先に投入されたウクライナ海兵旅団8000人が南部ザボリージャ州ロボディネを占拠し、ロシアの第1防衛ラインを突破したと見られています。ロシアは第2、第3の防衛ラインを持っていますが、これらの防衛ラインは第1防衛ラインに比べて弱く、ウクライナ軍は包囲網のゴボウ抜きを試みるようです。ウクライナ空中機動軍の投入は、ロボディネからメリトポリまでの黒海沿岸80キロにわたる重要地域を一気に制圧する戦術の一環と見られています。
戦果が停戦に影響を与えるか?
しかし、ウクライナ軍がメリトポリを攻略したとしても、それがロシアの停戦に応じることを保証するわけではありません。ウクライナ空中機動軍が消耗し、部隊の休息が必要となることで、ロシアとの対峙が続く可能性も考えられます。その際、ウクライナ軍がメリトポリを維持するための部隊がどれだけ存在するかが問題となるでしょう。
▼こちらもどうぞ
ウクライナ軍がウロジャイネ集落を取り戻す![その重要性とは?]