ジャニーズ性加害問題において、被害者が刑事事件に出来なかった理由について議論されています。ジャニーズ事務所が故ジャニー喜多川による元ジャニーズjrへの性加害を認めたことは大きな注目を集めました。これにより、これまで忖度があったとされる報道も大きく変化するでしょう。しかし、被害者の元少年たちが性被害を受けたにもかかわらず警察に相談しなかった理由について疑問の声も上がっています。なぜ当時、彼らは警察に通報しなかったのか、それは被害を甘受していたのかという疑問です。しかし、性被害を刑事事件として訴えることの難しさには理解が必要です。
物的証拠が必要な性犯罪の難しさ
性犯罪の場合、被害者が加害者を告発するためには、供述だけでは不十分であり、加害者を特定するための物的証拠が必要です。しかし、性被害を受けた被害者が冷静に加害者の体液などを採取し保存することは精神的に困難であり、性犯罪の刑事事件化を難しくしています。特に、性被害を受けた少年たちのほとんどが15歳以下であり、自身の状況を理解し、物的証拠を保存することを期待するのは現実的ではありません。
供述に関する精神的苦痛
物的証拠がない場合、被害者の供述が主要な証拠となりますが、これも精神的に大きな苦痛を伴います。質問は曖昧な部分や矛盾があるかどうかを探るため角度を変えて何度も繰り返しなされます。被害者は供述のために、忘れたい記憶を呼び起こさなければならず、心の傷を深める可能性があります。
性犯罪の立証の難しさを理解すべき
性犯罪の立証が難しいことを考えると、当時少年だった被害者に対して「なぜ警察に訴えなかったのか」と詰問するのは過酷であると言えます。元少年たちは現在成人していますが、事件当時は未成年であったことを考慮すべきです。もちろん、供述だけで何でも真実とされてしまうと冤罪が生まれる危険性があることも理解されるべきですが、実際に性被害を受けた際、物的証拠を保存して警察に通報することは、少年たちにとって非常に難しいことであったことも考慮すべきです。
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