中国は何とでも言える歴史的主張を根拠に、手前勝手に南シナ海全域を領土と主張して基地を建設するなど、その覇権的行動が国際的に懸念されています。この動きに対し、日本、アメリカ、オーストラリア、そしてカナダは警戒を強化していますが、中国はカナダ海軍に対して妨害行為を繰り返しています。2023年10月29日、南シナ海の国際水域上空で、中国軍機がカナダ軍ヘリコプターの前方にフレア弾を放射した事件が発生しました。フレア弾は赤外線誘導ミサイルを欺くための囮弾であり、この行為は無謀でヘリコプターが墜落する危険性があると厳しく非難されています。
カナダ軍パイロット「危険行為でプロ意識に欠けると批判」
当時、カナダ海軍フリゲート艦HMCS Ottawaに乗艦していたロブ・ミレン航空少佐は、中国軍機から発射されたフレア弾がヘリコプターの回転翼やエンジンに向かって飛んできたことを証言し、非常に危険かつプロ意識に欠ける行為として批判しました。このフレア弾の発射は、カナダ軍ヘリに中国海軍J-11戦闘機が異常接近した時に発生しました。中国軍機はヘリからわずか30メートルまで接近し、これによりヘリコプターは乱気流を受けて操縦が難しくなりました。ミレン氏は自機を高度約60メートルまで降下させ、中国軍機は低空での接近を避けて離脱しました。
国際水域を自国領土と主張する中国
これらの接近事件は、南シナ海北部のパラセル諸島から約54~30キロの国際水域上空で発生しました。しかし、中国海軍は南シナ海を自国の海域と主張し、国際水域を無視して自国の領空に侵入したと非難し、嫌がらせを続けています。ただし、カナダ軍のパイロットは中国軍機による異常接近への対処方法について訓練を受けており、今後も南シナ海の国際水域上空での飛行を続ける意向です。
厚顔無恥な中国外務省コメント
中国外務省は2023年11月3日の定例記者会見で、南シナ海国際海域での異常接近について質問を受けた際、「言及された状況については関知してない」と主張し、挑発行為の事実を否定しました。同時に、中国はカナダ軍機の中国領空近くでの偵察活動に断固とした姿勢で臨むと発表し、そのコメントは厚顔無恥と批判されています。
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