岸田総理は長らく増税路線を歩み、そのために「増税メガネ」と揶揄されるほどでした。その結果、支持率は低下し、衆議院解散も噂されていました。しかし、11月2日、岸田総理は総額17兆円に及ぶ新しい経済政策を発表しました。しかし、この新政策が本当に効果的なのでしょうか?
所得税と住民税の軽減、給付金で5兆円超
今回の政策の中核は、物価上昇による家計の負担を和らげるための所得税と住民税の軽減です。加えて、非課税の低所得世帯向けの給付金を中心に据え、合計で5兆円以上が計上されています。また、岸田総理は30年以上にわたるデフレを打破し、企業の賃上げや投資を促進するための施策も盛り込み、総額17兆円に迫る経済政策を提案しています。
1人あたり4万円の減税は来年6月から
岸田総理は2023年度の補正予算案を11月20日までに臨時国会に提出し、11月下旬に成立させる予定です。一般会計には13兆1千億円が計上され、不足する資金の一部は2023年度の予備費から2兆5千億円が充てられる見込みです。低所得世帯への7万円給付金は年内に始まり、そのために必要な1兆1千億円は補正予算案で賄われ、1人あたり4万円の減税は2024年6月から実施される予定です。
世間からは冷ややかな反応
では、この17兆円の経済政策が景気回復に寄与するのでしょうか?ネット上では、あまり期待されていないようです。例えば、所得税減税と非課税世帯への給付金の合計5兆円に対して、金額が不十分との意見が多く見られます。それよりも、消費税を一時停止するほうが効果的だろうとの声が多いようです。実際、国の消費税収入は2023年度には23.4兆円に上り、国の歳入の中で最大の部分を占めています。この消費税を停止すれば、給付金や所得税減税よりも効果的かもしれません。
給付金は貯蓄に回り、減税が遅すぎる?
また、非課税世帯向けの給付金7万円が、現在の物価上昇による生活苦の中で消費に回らず貯蓄に回る可能性が高いという指摘もあります。過去の10万円給付金の統計によれば、消費に使われた割合は僅か3割とのアンケート調査結果が示されています。給付金が市場に流通する金額は限られており、選挙前の政治的な配慮の一環とも見られています。さらに、住民税の減税も、年末年始ではなく来年6月から実施されるため、実効性が遅いとの意見が多く聞かれます。
賃上げは大企業に頼らざるを得ない?
岸田総理の企業向け賃上げと投資促進策は、大企業に頼るしかない状況にあります。現在、法人税減税の恩恵を受けられるのは大企業だけであり、中小企業は生き残るのが精一杯で、インボイス制度や物価高騰の影響を受けています。その中で従業員の賃上げは難しいとされており、岸田総理の新経済政策は、選挙勝利のための手段と見る向きもあります。即効性に欠けるバラマキ政策との批判が相次いでいるのが現状です。
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