ホテル大手ヒルトンがやらかし?旅館を下げて自社を褒める[PR動画で大顰蹙]

2023年11月19日


東京大学 kawausoさん

 

ヒルトンが自社ホテルを褒め称えながら、日本の伝統的な旅館を非難するPR動画が、ネットユーザーから批判を浴びています。1919年に創業し、世界中で584のホテルを展開する「ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ」が、最近YouTubeにアップした動画が話題になりました。この動画では、ヒルトンのホテルを賞賛しながら、日本の伝統的な旅館を貶める内容でした。一体、なぜこのような動画が制作されたのでしょうか?

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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10月24日に公開された30秒動画

生姜を買ってくる左慈と曹操

 

非難の対象となったのは、10月24日にヒルトン公式YouTubeチャンネルに投稿されたヒルトン「とまるところで、旅は変わる。予定でいっぱいの休暇」篇という30秒の動画です。この動画では、旅館の受付に着物姿の女将さんをイメージした女性が登場し、一方的に早口で入浴時間や夕食の時間などを指定し、カップル風の男女が戸惑う様子が描かれています。最後には、「せっかくの休みなのに、まったく休みがとれないとき」とのナレーションが入り、ヒルトン系列ホテルの映像に切り替わります。こちらでは上級ブランドであるコンラッドホテルが紹介され、ホテルマンが柔軟なサービスを提案し、カップルが喜ぶ様子が描かれています。

 

 

当初は問題視されなかったが…

テレビを視聴するkawauso編集長

 

この動画は最初は問題視されていませんでしたが、11月13日に一部のユーザーがツイッターで紹介したことで拡散され、批判が噴出しました。ツイッターユーザーたちは、ヒルトンが旅館の時間の制約を批判している点に共感せず、むしろ自社ホテルのホスピタリティをアピールするために旅館を貶めるような内容に見えたことから非難が相次ぎました。動画を視聴した筆者も、ヒルトンが日本の旅館を貶めながら自社を持ち上げる姿勢が目立つと感じました。特に、動画内で紹介されていたコンラッド大阪の宿泊料金が1泊あたり大人1人3万5000円と高額であることを考えると、ハイグレードホテルと一般的な旅館のサービスを同列に比較することは適切でないように思えます。

 

 

ヒルトンは旅館を知らないのでは?

内容に納得がいかないkawauso様

 

また、動画は旅館のサービスや制約を理解せずに、おそらく旅館に宿泊した経験がないのかと思われる制作陣によって制作されたもののようです。旅館の入浴時間や食事時間には衛生面やおもてなしの文化が反映されており、これを無理にホテルと同じ基準で評価することは難しいでしょう。ホテルと旅館は異なる接客態度を持ち、比較する際にはそれぞれの特徴を尊重する必要があります。比較CM自体が問題ではありませんが、今回のヒルトンの動画は旅館に対する偏見を感じさせ、公平に比較しているとも言えず、その勉強不足や傲慢さが、視聴者の怒りを引き起こしたと言えるでしょう。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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