国連の統計によれば、世界の人口の約9人に1人が飢餓状態で、子どもの場合は4人に1人が飢えに苦しんでいるとされています。しかし、日本に住んでいる人々は、飢餓は遠い国の問題だと感じていることが多いでしょう。確かに、日本での餓死者は少ないですが、栄養失調が原因で早死にする人々が増えています。
餓死者は2003年に93人
厚生労働省の2003年のデータによれば、飢餓による餓死者は93人でした。その後、この数字は減少し、2019年には23人に、その後も毎年約20人程度で推移しています。世界的には毎年100万人以上が餓死しているのに対し、日本の餓死者は少ないと言えます。ただし、ゼロではありません。
栄養失調と健康悪化
日本では餓死者は少ないものの、日常的な食事や栄養が不足しており、栄養失調が健康に悪影響を与えるケースが多くあります。経済的な困難や生活環境の変化、高齢者の孤立などが主な栄養失調の原因です。経済的な問題から十分な食事が摂れず、健康が悪化し最悪の場合は死に至ることもあります。
貧困と栄養失調
日本には安価な食材や保存食が豊富にあるため、餓死することはほとんどありません。しかし、価格の安い食品には栄養が偏ったり、食品添加物が多かったりすることが多く、栄養失調や健康への悪影響が出ています。充分な収入があれば、健康的な食事をとることができますが、貧困のために栄養失調や生活習慣病に陥り、寿命を縮めることがあります。
人口の1/6が貧困層
日本では相対的貧困と呼ばれる基準を使って、貧困の状況を把握しています。厚生労働省の2022年の調査によれば、日本の相対的貧困率は15.4%であり、年収が中央値の半分以下の人は約2000万人、人口の約6分の1に当たります。この層の人々は生活が圧迫され、栄養失調や非感染疾患にかかるリスクが高まり、早死にする可能性があるのです。
▼こちらもどうぞ
日本は世界でも貧しい国に転落していた【日本人が見たくない真実】