口を開けば疲れたというのが口癖の日本人は多いようです。実際に日本人約10万人を対象に調査した結果では78.5%の人が「疲れている」と回答したとか、でも、そもそもどうして人間は疲れるのでしょうか?
疲労感はタンパク質の働きで起きる
では、私たちが疲れたと感じるのは、どのようなメカニズムなのでしょうか?研究によると疲労感は体内でつくられた「炎症性サイトカイン」という物質が脳に侵入する事で発生します。炎症性サイトカインは、体内の臓器や筋肉で炎症が起きたときに、細胞から分泌されるタンパク質で、これが脳内に入ると人はだるさや集中力の低下を感じ、作業を継続するのが難しくなります。こうして人体は人間に作業を中断させ炎症を起こしている臓器や筋肉をクールダウンさせて破壊を阻止するのです。
それでも作業を継続するとミスが増える理由
さて、疲労感を感じた状態で強引に作業を続けようとすると、普段しないような凡ミスを連発したりしますよね?こちらにもメカニズムがあり「統合的ストレス応答」と言います。この状態になると人体は、体を動かすために必要なたんぱく質の合成を停止したり、細胞を壊死させたりします。そのため、人間の身体機能が一時的に低下し、頭が働かなくなったり、体が動きにくくなり、普段しないような凡ミスをしてしまうのです。どうして「統合ストレス応答」が起きるのかというと、疲労で身体にストレスがかかると、正しいタンパク質をつくれなくなり、がん細胞になるような変なタンパク質をつくるリスクが生じます。このようなリスクを回避すべく身体機能を落とし、強引に休ませる仕組みが「統合的ストレス応答」なのです。
エナドリの摂りすぎは突然死を招くリスクも
休みたくても休めない時、疲労を和らげてくれるものとしてエナジードリンクを飲む人もいると思いますが、エナドリの飲み過ぎはおススメできません。理由はエナドリは実際には、疲労感を取り去るのではなく、疲れていないと錯覚させるものだからです。メカニズムを説明すると、エナドリを飲むと炎症性サイトカインの減少が起きます。しかし、それによって脳は、まだ頑張れると判断し身体を休ませる信号を出さなくなります。こんな事が続くと身体が無理を重ねて、臓器が破壊されたり突然死を招いてしまうリスクがあるのです。
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