2008年の大河ドラマ『篤姫』では小松帯刀が篤姫に好意を持っていたシーンがありました。当時、大河ドラマを見た人の中には違和感があるかもしれません。この記事では小松帯刀と篤姫との関係について真相に迫りたいと思います。
小松帯刀と篤姫、恋愛をしていた?
大河ドラマ『篤姫』では、小松帯刀と篤姫の間に何かしら行為があったかのようなシーンが見られましたが、実際に関係はあったのでしょうか。
小松帯刀と篤姫との間には関係を示す史料はありません。小松帯刀は当時肝付家の三男で、篤姫とは身分差があり、交流すること自体ありませんでした。大河ドラマ『篤姫』の原作である宮尾登美子氏の小説においても小松帯刀と篤姫との関係については何も触れられていません。
結論を言えば、小松帯刀と篤姫の関係は大河ドラマのオリジナルと言えます。女性ファンを獲得するために作ったオリジナルのシーンであると言えると思います。
西郷隆盛と篤姫、恋愛をしていた?
では、2018年の大河ドラマ『西郷どん』では西郷隆盛と篤姫の関係が気になります。西郷隆盛は下級武士でしたが、島津斉彬に取り立てられます。後に御庭方役として薩摩藩江戸屋敷に勤めました。
『西郷どん』によれば、西郷と篤姫との接点は江戸屋敷にありました。西郷が江戸屋敷で勤めていたときに安政の大地震が起こりました。西郷は篤姫の安否を確認のため駆けつけました。そこから親交を深め、恋愛につながるようなシーンがありましたが、2人には身分差があり、恋愛自体はなかったと考えられます。
創作とエピソード?なぜ、こんな話が創作される?
2008年の大河ドラマ『篤姫』については、小松帯刀と篤姫との関係のように創作が多かったと言われています。原作は宮尾登美子氏の小説ですが、宮尾氏の小説にもありませんでした。
なぜ、大河ドラマ『篤姫』では創作が多かったのでしょうか。考えられる原因として、女性に関する記録など史料がほとんど残されていないことが挙げられます。
具体的には、大河ドラマが取り上げる歴史は主に戦国時代や江戸時代で、男性中心の記録が残されています。一方で、女性についてはほとんど記録が残されておらず、大河ドラマで女性を題材にしたドラマを放送するには創作に頼らざるを得ないと言われています。
江戸時代の不倫に処罰はあったの?
現代では不倫そのものは犯罪ではありませんが、道義的に問題のある行為とされ、その代償は非常に大きいです。家庭や友人関係を崩壊させるだけでなく、相手方に経済的・精神的に深刻な損害を与えます。現代と異なり、江戸時代において不倫すると処罰されました。
江戸時代の不倫に対する処罰については『江戸時代の犯罪はどう裁かれた?今では罪にならないことも罪になる?』を基に紹介します。江戸時代において、不倫は姦通または不義密通と呼ばれていました。不倫は現代と異なり犯罪行為です。
姦通(不倫)の場合、男女ともに死罪になりました。主人の妻との姦通した場合は獄門で、既婚者の女を強姦した場合は死罪などかなり厳しい刑罰でした。
幕末ライターオフィス樋口の独り言
今回は、大河ドラマ『篤姫』で、小松帯刀が篤姫に好意を持っていたことについて真実かどうか真相に迫りました。同様に、2018年の大河ドラマ『西郷どん』で、西郷隆盛が篤姫に好意を持っていたことについて真実かどうかについて取り上げました。
この点について、関係を示す史料がないことや原作となった小説にも載っていないことから創作であると結論づけました。史料がないことが大河ドラマで創作される要因であると指摘しました。女性が歴史上の表舞台に出てこないことから、女性が主人公の大河ドラマについては創作されやすいと考えられます。
今後、女性の主人公の大河ドラマについて創作の有無に注目したいと思います。
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