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検非違使とかいう極悪組織は何者なの?[NHK大河光る君へ予備知識]


テレビを視聴するkawauso編集長

 

NHKの大河ドラマ「光る君へ」第9話では、主人公の紫式部と藤原道長を繋ぐキャラクターである直秀が、検非違使に捕まり、鳥辺野で処刑される展開が描かれました。このドラマに登場する検非違使は、道長を捕まえたり、まひろを連行しようとするなど、極悪非道な振る舞いを見せますが、その正体は一体何なのでしょうか?

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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検非違使の起源は?

長安(俯瞰で見た漢の時代の大都市)

 

検非違使という名称は、不法行為を検察する天皇の代理人を指します。平安時代には不法行為を「非違」と呼び、それを検察するための役職として「検非違使」が設けられました。この役職は律令の中には存在せず、検非違使庁に所属し、京都の治安と民政を担当していました。

 

 

検非違使の誕生理由は?

桓武天皇 

 

検非違使が登場したのは平安時代初期であり、その設置は816年に遡ります。当時、桓武天皇が財政難に直面し、国軍を解散したことで京都の治安が悪化したため、軍事と警察の組織として検非違使が設立されました。当初は専門の役所がなく、衛門府の役人が天皇の命令を受けて兼務していましたが、895年には左右の検非違使庁が設置されました。(後に左庁に統合)

 

 

なぜ検非違使が武士の憧れとなったのか?

直垂を着用する源頼朝

 

検非違使は律令には存在しない新しい役職であり、当初は衛門府の役人が兼務していたため、身分に関係なく有能な人材が登用されました。そのため、平安初期には身分の低い武士たちにとって、検非違使は手柄を立て高位に昇進するチャンスと見なされ、憧れの職業となりました。例えば、源頼朝が伊豆で流人生活を送っていた時期、彼は検非違使庁のナンバー2の右兵衛権佐の肩書を持っていました。

 

 

検非違使の組織強化と武器としての序例

中村主水のような殺し方を得意とした善児

 

検非違使庁が設置された平安中期には、京都には刑部省や弾正台、京職などの他の官庁も存在していましたが、検非違使の活動は著しく拡大し、これらの役職を取って代わり、組織を強化していきました。その背景には、検非違使が刑事事件に関する独自の法である「序例」を作り、迅速かつ効率的に事件を処理していたことがあります。しかし、これは律令に反して一審で裁判を終結させたり、死刑相当の罪を科すなど法を逸脱する行動が目立ちました。

 

 

検非違使のガラの悪さの理由は?

悪党(鎌倉)

 

ドラマで描かれる検非違使はガラの悪い連中ばかりですが、実際には公務員はわずか20名ほどしかおらず、治安維持を放免と呼ばれる元犯罪者に委ねていました。これは京都の治安を守るには人手が足りないためであり、放免たちはチンピラのような風貌で庶民を恐れさせました。

 

 

検非違使の組織構成

藤原氏の全盛期を築いた藤原道長

 

検非違使は別当と呼ばれるトップの長官に次官の佐、法律を担当する大尉と少尉、府生や看督長などの下級の職員からなります。その下には元罪人である放免がおり、その数は不明です。

 

 

武士の台頭と検非違使の衰退

NHK大河ドラマ 平清盛風

 

検非違使庁は長い間京都の治安を守ってきましたが、平安時代末期には北面武士団に取って代わられ、更に鎌倉幕府が樹立されると衰退しました。その後、官位だけが残る名目上の組織として存続しました。

 

 

まとめ

朝まで三国志2017-77 kawauso

 

以上が、大河ドラマ「光る君へ」で描かれる検非違使についての解説です。実際の検非違使は、放免と呼ばれる元犯罪者を使って治安を維持していましたが、彼らのガラの悪さや不正行為による逮捕など、ドラマで描かれる検非違使のイメージと実際の活動には類似点が見られます。検非違使は武士の憧れの職業であり、治安維持に貢献してきましたが、武士の台頭や新たな政府機関の設立によりその役割は次第に衰退していきました。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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